「イエレン議長」の発言によって、大きく相場が動いていますが、なぜ、相場というのは急激に動くと「かんたんに終了するのか」というお話を今回はしたいと思います。
この問題は内部要因の問題であってテクニカルの問題ではない、ということを先ず最初に記しておきたいと思います。なぜなら、テクニカルを理解しているのは、今、流行りの「ビックデータ」を理解して目先の理解をしているのと一緒のことだと個人的には思うのです。
以前にも記したと思うのですけど、ビックデータというのは結局、平時、つまり何度もいうように物理学でいう均衡状態のデータを集めているだけの話であって、非均衡状態に経済が陥れば、この数字を信用している連中は大損をするのはわかっていることなのです。
非均衡状態というのは台風や地震などの天災のことを具体的に指すのですが、この状態になったら、ビックデータ関連のビジネスは大損することがわかっているのです。
たまたま、ビックデータで儲けていた連中は、そこは天災があったとからと追認バイアスをかけて平時に戻ればまた、同じことをやり始め、最終的には倒産の憂き目にあうことがなぜわからないのか、と思います。
ビックデータの間違い
ここでの弊害というのはビックデータを扱う法人、個人が、自分には未来がわかるという慢心が必ずあるのです。ですから天災の予測が全くできない、というアホな現象に陥るのです。
天災は、外れ値として扱い、その結果、地球温暖化の現象を全く数年前まで予測できないのが統計なのです。なぜ、地球温暖化の予測ができなかったかといえば、統計上の外れ値を除外したから他ならないのです。こういう数字がわかっていない連中が扱うのが「ビックデータ」なのです。
数字が本当にわかっている方というのは統計を信じないことはないけど、信用をしていません。
ですから大きな災害が起こると想定外と連呼をするのです。想定外と連呼するのは、要するに自分は、予測の才能があると勘違いしているだけの話です。そんなものがあると勘違いしている人はすぐにマーケットから退場しますので、放置しておけばよいでしょう。
統計は1次元の統計と心得る
マーケットの予想をするときに必ず、みなさんでも目標何年、という人は私を含めてたくさんいるでしょう。でも、それは水が高いところから低いところへ、と同じ予想で、ここ最近の円安は行き過ぎなのだから今回の円高は当然のことです。
つまり、私たちがマーケットの値段を予想するのに「目標○円」と立てますが、私から言わせればそれはチャートのY軸にしか注目していなく、X軸には全く関心を払っていません。
チャートは時間軸があって初めて成立するということが全くわかっていないのです。もう、字数があまりないので簡単にかいていくと。得に、今、日本に巨大な台風が3本来ましたが、東京の人などは特に台風のときにも仕事をしている人が多いようです。
電車が動けば、なんとか仕事ができると思っている人が過半です。電車が止まってどうしよう、と考えるのです。天災に逆らっても無力というのは、東日本震災や熊本地震で私たちは学んだものです。
しかし、自然を征服しているという考え方が今も支配をしているのは上記の例をみれば明白です。
自然の流れや人間の体や脳の成長というのは本来、ゆっくり進むもので、マーケットで突然、起こる急騰や急落というものはイレギュラーなもの、つまり、それは引いては自然に回帰をする、ここで自然に回帰をするということは「平均値に集束する」ということを理解していない人が多すぎるのです。
今回の円安は急速に進み過ぎたので年初から円高になって当たり前です。しかし、1972年からみたら、円高の範疇にあることは間違いないことです。私はまだまだ360円から始まった円高軌道は修正されていないと思いますし、戻っても円高にまたなるであろうと思います。
今回「イエレン」発言によって円安軌道に戻ったようにも見えますが「ゆっくり」と円安にならないと、年末や年明けの110円はない」ということが、私の一番、今回伝えたいことです。なぜなら自然の変化もゆっくりなのですから。
(この記事を書いた人:角野 實)