9/8に「ECB」の金融政策決定会合が行われ、その結果は予想通り据え置かれることに決定しました。
これは、従前から私が申し上げているように、「リーマンショック」以降、アメリカが「金融政策」を変更した場合、日欧の「中央銀行」はアメリカの金融政策変更を行った場合、それを補完する役割があるという国際合意に照らし合わせていくと、今後のアメリカの今月の金融政策を変更することはないだろうという仮定がほぼ成り立つということになります。
ECBは独自路線を歩む
どこの通信社が配信をしたのかは、まだ会見のビデオをみていませんが、こういう発言を会見でしたようです。この配信をした通信社は「ECB」が政策を変更しない、ということはアメリカの利上げも無くなったということを理解している通信社になると思います。
この独自路線、ないしは、自主性を重んじるという発言はこの国際合意を念頭に発言をしているとすればアメリカの金融政策の変更もあるのかもしれない、ということもある程度念頭におかなくてはなりません。しかし、この量的緩和の政策を継続するのにあたり、現地のアナリスト等は買入れ資産の不足を指摘する声が相当あがっており、新しい買入れプログラム提示を示唆する発言ともとれます。
現状のユーロ経済はイギリスの「EU離脱問題」等で経済の脆弱性が露呈され、下振れリスクが増大していることを勘案すれば日本の政府首脳がよく為替や株安が進行すると、「断固とした処置を取る」と言っているのと同じともとれます。
この発言で考えられるのは、この日米欧の金融政策当局者の国際的な裏合意の解消もあるかもしれないというのは必ず念頭に置くべきです。
それでも今月のアメリカの利上げはないと思う
そもそも、アメリカの「政策金利」の引き上げは国際的な大問題になります。なぜなら、利上げが行われれば、新興国を筆頭にレパトリが起こり、極端な新興国に資本不足が起こることになります。
ブラジルなどはオリンピックが終了、パラリンピックはまだ開催中になりますが、政治的な混乱が続いている状態になります。その上、「国債」は投資不適格扱い「ジャンク債」扱いです。その上、利上げが続くとブラジルの景気後退懸念はいっそう不透明になります。
中国で南シナ海等での国際会議等で議題に上がるのは、アメリカが利上げをした際には中国で暴動が多発をして、そのガス抜きをするために尖閣、南シナ海にて暴挙に出る可能性が非常に高いということになります。
ロシアと日本の会談も予定通りに進むのはやはり、アメリカの利上げを警戒したもの。なぜならアメリカの利上げはドル高を示唆して、その結果、ロシアの主要輸出品目の原油価格も下がることに危機を抱いているためです。
また、韓国との通貨スワップ協定再開議論も、もともと韓国は日本との通貨スワップ協定を破棄したのは中国に頼るためでしたが、その中国が資本融資に対しては「IMF」の加盟国としては全く役に立たないことが判明してまた日本に泣きついただけの話です。
従軍慰安婦問題にしても根っこは同じです。北朝鮮の暴発は、やはりアメリカの平和路線と大統領交代時期には北朝鮮が暴れるのは毎度のことです。
北朝鮮やイスラムのテロなどはアメリカが世界の警察を破棄したことが「そもそも」の原因であって、それに大統領の退任が近いこともあります。
それに乗じて北朝鮮が、またカネをくれ、と暴れているだけの話です。世界を取り巻く環境はこれから不景気になるから、先進国からどうやってお金を分捕るのかの会議と考えれば今、起こっていることのほとんどが理解できます。
肝心のマーケット
9/2、9/5に目先の高値を出したドル円相場になりますが、9/2の時点では週末の利食いでしから月曜日に底を打つと考えるのが妥当です。
しかし、9/5、22時ころに戻り高値を打っているのですから押し目3日の格言通り、9/8、22時ころまでには底を打つという覚悟ができた人だけは今回の押し目をとれているはずです。細かい説明は排除しますが、あまり悩むことはない相場であったと思います。
(この記事を書いた人:角野 實)