友人からブラジルレアルが急騰していると聴き、久しぶりにチャートをみてみました。
チャートの解説
「FRB」の利上げが間違いなく行われると喧伝された年末、レアルが下落をするのは当然の話になります。ほとんどの方がアメリカの利上げは経験したことがないので、その当時、一時的にドル安に何度もなるよとみなさんにはお伝えした通りです。
利上げというのは経済学の原理原則ですが、加熱した経済を冷やす効果があり、利上げを行ったアメリカ経済は一時的に減速をするのでドル安になるのは当たり前の話ですが、久しぶりの利上げでさらにドル高になると何もわかっていない連中がそう喧伝したおかげで、かなりの大損をした人も多いと聴いています。
何度も言いますが「利上げによってアメリカドルは安く」なります。私は今年の場合は、また年末に利上げをすると予想をしていますが、仮に間違って11月に利上げをしたとしてもその発表前か後に必ずドル安になります。
ましてや、インフレ率が大したことがないアメリカ経済、そして今、かなりのドル高が進行していますので、相対的に売られる公算は大きいでしょう。もちろん、円高にもなりますし、現在、推奨しているユーロにしても大きく戻るということを念頭に置かなければいけません。
話を元に戻しますと去年の年末に「国債」が「ジャンク債」扱いになって低迷し、その上、オリンピック開催の2-3カ月前にはその国の通貨の高値ピークを迎えるというのも鉄則なのですがブラジルの場合は年末に格下げと利上げのダブルショックがあったので大きくは下がりませんでした。
今回の急騰
私にもあまりよくわからないのですが、世界で唯一の勝ち組のアメリカの成長があまりよくなく、投資マネーが徘徊をしているのが一番の要因になります。
アメリカとともに成長の可能性があったイギリスは、国民が言っては悪いですが白痴化したおかげで現在のような体たらくですし、投資対象先が減ったので仕方がないことかと思います。
私は以前にトルコリラを買う人、推奨する人はアホとも書きましたが、実際、安値更新中で今現在でも買いたくはありません。そのくらいアメリカ経済の好調というのは新興国から体力を奪うのです。
1990年代後半から「リーマンショック」、最近まで続いた新興国ブームはバブルが崩壊したと思っていましたが、最近になって考えを多少は改めています。
なぜなら、先進国でまともな経済をしているのはアメリカ以外ないからです。その選択肢がなくなったので仕方なく新興国にマネーが向かっていると思います。
間違いなく新興国の成長は2030年ころまで続くとは思いますが、アメリカと新興国、どちらが強いかと言われると現時点ではなんとも言えません。
トルコは以前にも触れましたが、お金がない国の典型であって、現在の中東の不安定の情勢は原油価格がもっと上昇しないかぎりトルコ情勢は良化するとはとてもではないですが、思えません。
ですから、トルコは別として、中国、インド、ロシア、ブラジルなどは1990年代以降の新興国ブームほどではないでしょうが、日本やユーロよりは成長は間違いなく続くでしょう。長期的な見方はそう思いますが、目先は、利上げの問題を織り込んでからでからの話になると思います。
豪ドルの苦悩
新興国ではなく資源国、オーストラリアドルに関しても少しお話をしておきましょう。中国に頼った国というのは筆頭にユーロがありますが、今のユーロの惨状をみれば中国経済に頼る国の将来などもう知れていると思っています。
とにかく、中国というのは目先の楽なほうばかりに流され、それに流されやすい人間を作る傾向があると個人的には思っています。その代表がフィリピンの大統領と思っています。
出自も問題ですが、目先の損得でしか判断をしていると思えません。フィリピンも私の投資対象から外れました。展望が全くないと、個人的には思います。
オーストラリアにしても中国経済に頼る代表的な国なのですが、案外まともな人が多いようです。今のオージー円の「日足200」をご覧ください。今年は200でたたかれまくっています。
つい最近もたたかれました。これで年末を迎えるとしたら、普通の考えで買いになるとは思います。
(この記事を書いた人:角野 實)