ずっと、私は円高相場ではないか、という考えをもってマーケットに挑んできましたが、先週の動きをみるとどうも「バブルではないか」という疑念をもってきます。
円安になるということは?
円安になるということは、一番、みなさんもわかりやすいことは株価が上昇するということになります。
今までは、企業物価が下がっているのに、株価が上昇するのはバブルだからだ、という意見には変わりませんが、企業物価は円安効果によって、為替相場の水準が維持されることによって徐々に上昇をしていくことでしょう。
そして企業の卸売価格が上昇していくということは、消費者物価が上昇をする、引いては国民総生産の額が伸びることになります。
ただ、ドル建てはトランプ大統領が誕生してから約10パーセント上昇していますからドルベースでの日本、「GDP」は10パーセント減額をしますが、円建てでの「GDP」は逆に10パーセント増額することになります。
この辺は非常に難しい話になりますが、外国人投資家はドル建てで日本の成長を見ますのでドル建てでの「GDP」では大きい成長には見えません。しかし、日本人投資家は日本の成長に大きな希望を抱くことでしょう。この矛盾をどのように解決をしていくことになります。
アメリカはどうなのか?
アメリカはトランプ次期政権が誕生してから。ずっと金利高、株高、ドル高のトリプル高になります。この一番の要因というのは前回も説明をしたように、財政拡大による財政赤字増大の懸念から金利が上昇局面になっているのです。
金利が上昇すれば、通常は株価にはマイナス材料になります。そして通貨高も株価にとってはマイナス材料になります。先週の動きは、金利が押し目を形成したのにも関わらず、株は少し下げ、ドルも少し下げたのです。ところが週末にかけて金利が急上昇すると、株もドルも暴騰し始めたのです。
以前にもお話をしましたが、金利が上昇するということと、株価、ドルが上昇するというようなトリプル高現象というのは異常な状態になるのです。金利が上昇すれば、通常、株価は下がり、ドルも押し目を形成をするのが通常なのですが、先週はトリプル高になってしまったのです。
しかも、ドルに関していうならば、15パーセント弱上昇しているのにも関わらず、反転せずに、上昇。これは完全に異常というか、理論では説明ができないバブル相場と言えることができます。
今後はどうなるか?
先ず、簡単な話、買っていれば、上昇をしていくと思いますので、売りは厳禁になっていくのではないか、ということになります。金利が上昇していきますので、アメリカのGDP総額に金利分が、オンされますのでかなりの成長をします。
アメリカ10年債に現在、2.5パーセントですから、現在の成長にオンされるのですから、相当な成長になります。日本の金利がマイナスなのでいくら円安でプラス成長になっても、GDP総額から減額されます。またさらに、日米の経済格差が広がり円安傾向は進むことになるでしょう。
いつまで
目標値に関してはこれから考えていきますが、前からご説明するように、アメリカでは新政権が発足してから100日間をハネムーン期間といい、その間、メディア等は新政権の批判等をしないというのが、通例になっています。
すなわち1/20に政権発足から3カ月、つまり日本の暦年度でいえば年度末まではこの上昇は続くと思います。来週は「FOMC」、日本は12/19-20まで、金融政策決定会合が行われます。
一部で、0.5パーセント金利を上昇するのではないか、という声も聞こえますがそれはないと思います。ただ、日本の金融政策決定会合は注目しないといけません。
「ECB」が緩和の縮小を行ったように、日本銀行も政策の変更を行うのは当然のことになります。何をやるかはわかりませんが、もしかしたら、「ECB」のように緩和の縮小を行うかもしれません。何れにしよ、国際的な裏合意はまだ有効であろうということは間違いないでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)