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レーガノミクス再来を予感させるトランプ就任

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日本時間の21日未明にアメリカに第45代大統領ドナルド・トランプ氏が誕生しました。
昨年11月から続いたこのトランプラリーは今後も続くのか、否かが株式や為替投資を行っている者の最大の関心事になると思いますのでその解説をしていこうと思います。

就任演説

Photo Reuters.com

今回の大統領の就任演説は、みなさんの感想はいかがだったのでしょうか?初めて聞いた人にとっては、こんなものか、という感じになるのでしょうが、個人的な意見としては「最悪な演説」とは思います。

前任のオバマが演説の名手で聴き手をここまで感動させるものだったのに対してトランプの演説は本当に稚拙としかいいようがありません。
また歴代の大統領やライバルのヒラリーが聴いているのにも関わらず、そのねぎらいの言葉さえもかけられず、最悪としか言いようがありません。少なくても得票数ではヒラリーの方が上だったのですから、これからはヒラリーを応援していただいた方をも含めて新しいアメリカに挑戦しようという文言が一言くらいあってもよさそうなものを、自分一人で敵を増やしてしまっているとしか感じません。
また、その内容に関して、崇高な理念を歴代の大統領はいうものですが、現実的な政策ばかりの内容になってしまっています。たとえば、アメリカが過去に投じた予算を今後はインフラ整備にまわすと発言をしていることから、予算の再配分が必要だと主張をしています。
いろいろやりたいことを発言しましたが、予算を使うことには具体的な方策はいくらでも話ますが、予算を稼ぐことに関しては抽象的な言い回しに終始をし、グレートアメリカの連呼という調子になります。
ビジネスマンであれば、使う話よりも儲ける話が大事なのにその儲ける話に関しては終始、曖昧なままでどうしようもない、と感じました。

新大統領の方針

マスコミの指摘、たとえば就任前の大統領の支持率は過去最低という報道がありますが、そんなものは信じてはいけません。なぜなら、各種世論調査はヒラリーが有利という報道を流し、実際に当選したのはトランプです。なぜ、そんなものを信用するのかが私には理解しがたいものです。

要するにマスコミの世論調査というのは全く当てにならないものであって、トランプがマスコミを罵倒する理由は、ある意味、お行儀が悪いですが、実際、ウソだらけの報道をして、偉そうに主張するのですから頭にきて当然です。
マスコミを嘘つき呼ばわりするのは当たり前ですけど、既存の政治家であれば、仲良くやっていこうとするのですがね、普通は。一つの方針ははっきりしています。それは、アメリカは不公正な取引にはあらゆる手段でNOということです。
つまりアメリカの利益を脅かすものは排除するというのはよく理解できたと思います。そして、その利益を阻害する要因は、おそらく彼にとっては貿易赤字です。
貿易の不均衡によって、アメリカ人労働者の雇用と給料を奪われ、外国に利益をもたらしている、というのはよくわかったと思います。
就任直後にも、トランプ氏はオバマケア改正の大統領令を出しましたが、彼の支持層は白人の中間層になるのですから移民によって保険料をむしり取られ、その被害を回復することをも意味するとも言えます。とにかく、アメリカ人が怒ると必ず口に出す言葉「アンフェア」なことは絶対に許さないという方針です。

実はトランプ大統領は為替や商品の大統領!?

トランプ大統領は、就任前からメキシコや中国を徹底的にたたいています。これは貿易不均衡からの貿易赤字が国力の阻害要因と考えているからに他なりません。

この「貿易赤字」が、アメリカの生活水準を輸出し、そしてアメリカ人の失業を輸入しているというのが彼の根本的な考えです。その参考になるのは、同じく俳優出身の大統領、レーガンを模倣していると考えられます。レーガン大統領時代に何が起こったかといえば、「日本との貿易摩擦」です。
つまり、自動車、鉄鋼、半導体などの貿易摩擦です。当時の日本検証では、彼は、日本には尊敬の念を抱いています。すなわち、通貨安によって輸出を有利にし、そのほか関税障壁、輸出助成金等の補助金によって国力を維持したということです。
ついでにいえば、防衛はアメリカに頼り放しという状態に持っていきたいということがうかがい知ることができます。つまり、アメリカは今後、輸出に関しては助成金を与えてまで輸出を促進し、輸入に関しては高い関税障壁を出し、防衛に関してはできるだけ自分たちでお金を出さないようにする、こういう国家にしたいだけの話です。
トランプ大統領は石油の共和党大統領になりますから、環境問題の基準を下げて石油の増産を促し、そして金融業界には規制撤廃でしょう。
石油は商品相場の代表商品のようなもので、今でも供給過剰なのですから、シェールを増産すれば昨年の「OPEC」の減産などどうでもいいことになります。どちらにしても投資家にとっては歓迎すべき大統領でしょう。

レーガノミクスの結果

レーガンはこの保護貿易主義を取ることによって国益を回復することができず、結果、「プラザ合意」まで行きました。つまりトランプはドル安にもっていきたい意向があるのですが、当時のアメリカの力は偉大だったために、ドル高が是正できないものでした。

つまり「為替政策はドル安にもっていきたい」のです。となると円高。保護政策がアメリカを偉大な国にするかといえば、それもNO。というのが現時点でのトランプ大統領の結果になると思います。
(この記事を書いた人:角野 實
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