トランプ政権が、5/5に発表した「貿易赤字」に端を発した関税強化策が発表されました。
これによって名指しされた会社の株価は暴落するのでしょうが、何もわかっていない方が多いので笑ってしまいます。それどころか、有事はますます近づいたと考えなくてはなりません。トランプの性格ややりたいことをわかっていない連中はおおわらわでしょう。
そもそも鉄鋼製品で一番、いけないのは中国
去年から問題になっているのですが、鉄鋼製品は相当な値崩れを起こしており、その起因は中国というのが世界の一致した見方です。それによって被害を受けているのは主に、日本やアメリカ、韓国、ヨーロッパになります。
自国の鉄鋼業界が経営不振に陥り、その安定化策を行わなければいけない事態になっています。中国に向けて、「G7」、「G20」等で是正勧告を行っていますが、中国は対策を打ちますが全然、効果がない、ということが問題の根幹です。
そもそも中国は過去に銅やソーラーパネルを過剰生産して、値段を崩壊させています。数年前に大連の商品取引所にも銅が上場されていましたが、値段が0をずっと表示したままでした。
現在はどうなっているのかは知りませんが、とにかく、国家の計画経済に沿って必ず過剰生産になる傾向があります。大連の取引所の問題は、中国人の過剰なギャンブル好きという問題もあります。
とにかく中国人はギャンブル好きで、それを信用でやらずに、現物でやるので、値段がつかないという異常事態をも引き起こします。今回の鉄鋼の問題も作りすぎただけです。でも、中国を名指しで指名しないことに、おかしいと一連の経緯を知っている人間なら思う筈です。
トランプはディールをしたがっている?!
今回、トランプ、というよりもアメリカは中国を指名しなかったのは、おそらく背景にあるのは北朝鮮問題にあると思います。
先ず、トランプの一番の問題は、アメリカの議会がトランプの政策提案に対して拒否ばかりをして政策運営がままならない。そこで北朝鮮問題をクローズアップして、大統領支持率を上昇させようとしていることが北朝鮮問題の根幹です。
自分で手は出したくないのは、事実になりますので、中国が北朝鮮を説得するように試みているのです。だから米中首脳会談の最中にシリアにミサイル攻撃をして中国を脅したのです。
中国も脅されてやるのは国のメンツもありますし、また、北朝鮮を言うことを聞かせたら、何かメリットがあるのか、といえば、ほとんどない。だったら、先進国でたたかれている鉄鋼問題を少し、譲歩してくれ、というのが今回の真相のように思えて仕方がありません。
つまりトランプ大統領は、中国が約束を守るということを確認した上で、あまり鉄鋼の問題で中国を叩くな、ということを言いたいだけなのです。この表明をみて、ある程度、中国は北朝鮮を説得する可能性が高いと思います。
でも北朝鮮リスクは消えない?
そもそも、この北朝鮮リスクの起因というのは、トランプの議会運営のまずさと不支持が多いことに起因と考えると、トランプ自身の政策が議会を通るようになるまで、続くということになると思います。
実際、極東の朝鮮のことに興味がない、アメリカ人が朝鮮に興味を持ち始め、実際に軍事攻撃を始めたら、支持率は上昇するでしょう。
それが伝統的な共和党のやり方になります。現状、アメリカ<日本になりますから円安の方向性はあっていますが、この緊張は砂上の楼閣といっても過言ではないでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)