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最近は、為替の専門家と称する人たちが非常に多いので笑ってしまいます。たとえば、ユーロ経済が好調でユーロ高になると騒ぐ方がいらっしゃるのですが、ユーロ高ということはドル安なのですよね。
ユーロドル相場は為替全体の取引量の5割弱を占めますから、ユーロに対して、ドルが弱くなるのであれば、ドルの水準が下がる、というロジカルなことがわかっていないらしい、ということになるのです。
つまり、ドルの水準が切り下がれば、ドル安になるから円高になると考えるのが通常の考え方なのに、そういう、何もわかっていない人ほど、ユーロも高いけど円も安いと奇妙奇天烈なことを仰っています。
要するに素人並みの意見具申をテレビで言ってしまうのでこいつはバカだ、と断言してしまうのです。
そもそも、ユーロを買うならポンドを買うほうがいい、という意味はヨーロッパの域内でヘッジをするのであればそれに見合う取引量があるのはポンドしかないのです。
そうなるとヨーロッパの中でユーロとポンドどちらを買う？という選択肢になるのですが、景気回復が確実なポンドを買ったほうが確実に利回りは良いに決まっているのに、ユーロを買い、そしてドルも買いなさい、と推奨するアホは専門家と称するにも値しないわけです。
今朝も原油の専門家と称するアホが、「ＯＰＥＣ」の減産延長は有効という、全く無知蒙昧の専門家が出てきて、原油は高いので安心してください、となどほざいていましたが、アメリカの世界生産の原油割合を知らないのでしょう。
世界一の産油国であるアメリカが増産しているのに、原油が安すぎると言っているのですから目も当てられない状況です。それをなるほどと聴くアンカーもバカとしかいいようがありません。
今回も多少は円安になると思っていましたが、想像を超えた円安には私も他人を批判する要件はあまりないのですが、ドル円が頭という根拠をお話していきましょう。
リスク回避と選好
今回の円安、株高局面は、フランス大統領選挙から韓国大統領選挙などの政治の不安定要因が解消される、という期待感から買われたもの、ということが言えると思います。
なぜなら、円安のトレンドが発生をし始めたのは4/20くらいからになるからです。フランス大統領選挙の一次投票が、4/23ですから、この政治要因が解消されるのとほぼ一致します。
そして、アメリカの四半期ＧＤＰ速報値が月末でこのときから円安が急加速します。そして、きのう韓国大統領選挙が終了で、値段が一気に円安になり、114円台までつけました。
この4/20から5/10までの三週間、日柄にして約3週間、15日間、世界の金融マーケットが楽観視をされたのです。その間、注目するべき点は、こういう買いトレンドを維持するのにはじっくりと円安にならなければいけないのに、ドル円は下がると急騰を繰り返したのです。
つまり、新規の買いによる円安ではなく、おそらくこの形のチャートは売り方の踏み上げによって、急騰したと想像したことになります。最後まで、急騰を繰り返し、これは健全な上昇とは言い難いような上昇というのが特徴的になります。
つまり、この株高や円安は売り方の悲鳴によって形成された相場、というのが個人的な結論になります。売り方の総踏み状態が完了した時点で、この上昇相場は終了をします。
利上げというのは何度も言いますが、経済の過熱感を押さえるために、行うものであって、決して、景気を浮上させるために行うものではない、と何度も申し上げている通りです。
すなわち、利上げはアメリカ経済の停滞を意味して、そして、引いてはドル安を引き起こす、その時にユーロ買いは有効でしょうが、円はドル安なら円高なのは当たり前なのに、金利差によってドル買いとかいう方が多いのは非常に不思議な話です。
またサミットも開催されますが、その代表的存在であるアメリカが「ＴＰＰ」を放棄したり、環境問題にも参加せず、自由貿易にも否定的、世界での合意形成はほとんどなされず、世界が今年度、どこを目指して走るのかは不明な状態で、マーケットは上がるのでしょうか？
みなさん、北朝鮮とか言いますが問題の本質はアメリカである、ということを忘れてはならないと思います。
注意点
おそらく、この辺が頭になると思いますが、世界の投資家のムードは楽観モードです。
つまり、下がると買ってくる人が非常に多いので、下がったところでマーケットにとってよい材料が流れると二番天井の可能性もあるのです。
（この記事を書いた人：角野 實）
