先週は、全く動かない状態でしたが、今週もあまり多くは期待できないような指標の発表です。
GDP確定値発表
前にも何度か記していますが、年率換算で1.2パーセントになる予定。日本が年率で1.7パーセントの予想ですので、アメリカ<日本になり、為替相場は円安に行き易い状態になります。
ところが、4-6月期での成長率では、日本0.5、アメリカ0.9であり、「アメリカ>日本」になります。これだと、円高に行き易いという発表になります。この場合、マーケットの判断を大勢的にどちらに行き易いのかが非常に判断に難しいところです。
ただし、日本の報道はアメリカ、日本の指標を過大評価する方法を好み、たとえば、これから触れる個人消費などは年率で報道し、前月比では報道しないのです。このため報道しかみない人たちは、指標はよくなっているのだ、と勘違いをしてマーケットに臨むというミスマッチが起こるのです。
実際、ほとんどのアメリカ指標が、前月比はマイナスになっており、特に先行指標と呼ばれているもの、景気の減速が顕著な状態です。ただ、ここで、きちんと書いておきたいのは、減速、減速と言いますが、好景気循環サイクルの中での後退局面であって、決して、景気が後退するという意味ではありません。
景気後退になれば、先日も記したように大統領府が先導して、ドルの切り下げの口先介入や具体的な政策を行う可能性が非常に高いと思います。
実際に2013年はそれで乗り切っているのです。つまり、今週に関しては思惑を張りにくい状況ですが、大勢的な状況をみると円高方向に方針は変わりがないように思います。
そのほか
個人消費支出、ケースシラーなどがありますが、このうち、個人消費支出は、お給料というのは遅行指数になりますので、そこからの支出になりますので、遅行の中でもさらに遅い指数になります。
つまりアメリカの景気回復を確認するための指標になりますので、マーケットの指標にはならないということになります。ケースシラーは4月の指数の発表になりますので、大雪の影響で本当に設備投資が減少したのか、の確認の発表になります。
まとめ
やはり、今週の発表を精査していくと、先行指標を中心にアメリカ経済の減速が確認できるような状態になると思います。しかし、この減速が遅行指数まで波及した場合にまた、先行指数が再度、上昇し始めると、これは単なる景気循環の一種になりますので、単なるマーケットは調整になります。
しかし、先日も触れましたように、トランプが北朝鮮への制裁期限100日が間もなく到来します。それに合わせて、トランプの支持率が下がっているのは非常に興味深いものです。とにかく歴代のアメリカ大統領は、トランプが理想とあがめるレーガンにしてもグレナダ侵攻によって、その支持率を急騰させたのです。
トランプ暗殺説というのがしょっちゅう出てくるのは、レーガンが暴漢に襲われ九死に一生を得ることのセットにより、支持率が回復をしたことによって政権運営がようやく軌道に乗ったことからです。
同じことを、その副大統領であったブッシュも、自身の政権時にイラク侵攻を行い、支持率を回復させているのです。レーガンの支持率を超えることはできないと思われたブッシュは実に90パーセントという驚異的な数字を叩きだしたのです。
アメリカの憧憬の大統領としては、現代では圧倒的にレーガンになります。前任のオバマもレーガンにあこがれて大統領を志したとも言われています。
レーガンは小さい政府と減税を呼び掛け、そして成功をした人になります。トランプも同様のことをすると思います。しかし、トランプの熱狂的な支持者は全米に40パーセント居ると言われていますが直近の世論調査では30パーセント台まで落ち込んできています。
トランプが何をやっても、何を言っても、選挙期間中は絶対に離れなかった熱烈な支持者が離れ始めている兆候があります。トランプ自身は、自分の思い描いた通りに政策を進めていると思いますが、マスコミは一方でトランプ嫌いが講じ、めちゃくちゃな報道になっていると痛感をします。
金融規制改革しかやることがないから、やっているだけとか、オバマケア改革に関しても専門家の彼の好き嫌いによっての色分けでみれば、単に彼のことを嫌いということだけでコメントしている人が多数です。
マーケットをやる人間にとっては為政者を色眼鏡で見ることは厳禁なことで、それを平等な視点から眺めたいものです。その点、熱狂的な支持者が離れ始めているトランプは、リスクに突入し始めたと言っても過言ではないでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)