きょうから8月相場、プロの間では「夏枯れ相場」というのが定石で、日本の金融機関も夏休み期間になります。欧米はは7月からディーラーやマネージャーが夏休みを取るので市場が閑散とすることから「夏枯れ相場」と言われます。
先月、7月は3日シンポだったのに対して、8月は1日シンポになります。7月は格言通り、3日シンポで円安派の方にとっては悪夢のような感じだったと思います。
アノマリーは、実はほとんどが説明できるもの
3日、2日シンポは荒れるというのは先物相場からの格言になりますが、これもある種のアノマリーになります。おそらく、日本のファンドの場合、締めが月末から4日前が締めで、7月にはナスダック市場が締め日に急落をしました。
この月末から4営業日前には相場が荒れると覚えている人にとっては想定通りのことで、知識のない人は訳のわからない言いわけを始める専門家のことを鵜呑みするものです。
一方で月初はファンドに新規に流入した資金を運用し始めるのは月の2営業日以降で、それが15日前後まで続くというのはお話した通りになります。
この新規の流入資金が1日シンポだとある程度歩調は合いますが、2日、3日、シンポだと歩調が合わないのでしょう。いずれにしてもアノマリーで、根拠のないものを信用してはいけません。
ただ、また専門家と称するアホたちが、8月の初旬からお盆くらいまでは例年、円高傾向が続くと言いますが、その根拠を説明できません。この根拠はみなさんなら、かんたんに説明できると思います。
なぜ、ゴールデンウィークは急落することが多いのか?を考えてみてください。
わかる方はわかると思いますが、ゴールデンウィーク前の4月末にはアメリカ1-3月期のGDP発表になります。
冬場のアメリカは景気が悪いのでアメリカの景気低迷を受けてドル安になるのです。だから連休明けは、たいてい株安、円高なのです。では、8月の初旬はどうなの?とお聞きすればかんたんな話です。
7月末にアメリカGDPが発表され、その冬場の景気低迷を脱しているかの確認になります。今年の場合は、アメリカ景気の堅調さが確認され、そして日本のダメっプリが確認されたので円高なのです。
何度も言いますが、ドル円相場というのは日米の経済格差のレートなのですから、アメリカと比較したことを想定して想像しなければいけません。
本日は経済指標の集中日
予想は前年同月比で、2.1パーセントになりますが、周辺のPMIなどをみると、この数字で本当に前期比、プラス0.1になるか怪しいものです。
速報値なので上ブレするでしょうが、今のユーロ高をみると、今後はこの数字が低下をしていくのは必然になるとは思います。
何れにせよ、速報値ベースでは「アメリカ>ユーロ」になることは確実で、いつ、ユーロドルが転換を計るのかの問題になります。
また、これに関して、ドル安だからユーロ高は当然ですが、ドル安の進行と連動して円高、そして、ユーロ高が進行をしています。ユーロ安になったら、ドル円の大きな戻りを警戒しなくてはなりません。
アメリカの発表はPCEが重要になります。ISMも重要ですが、PCEはFRBの政策決定要因になります。
たぶん、この数字がサプライズまでいかないとしても若干上ブレすると思います。また、製造業は夏休み前になりますので大量の受注生産をして景気は通常よくなります。
アメリカも下ぶれですが、ユーロも横ばいですね。大して景気がよくないのに、なぜ、景気がいい、と叫ぶのかさっぱり理解できません。
>現在のポジション、ドル円とユーロドル
きのうコラムでも触れましたが、この辺は下抜けも上抜けも難しいラインになると思います。私の場合、114円の頭近辺で売ったのを放置しているだけで何もしていません。
ただし、5月の114の玉も放置したままです。下抜けてきたら、大きな流れになると思いますが、よくわからないが本音です。戻っても大したことないでしょう、と思います。
その代わり、ユーロドルのナンピン売りをまだ敢行しており、天井形成の見えない売りに辟易としています。天井形成をしようとするところを一気に踏みでそのテクニカル形成を妨げています。私と考えている人は非常に多いのだろうと思います。
さすがに一番↓の売り玉は踏みましたが、1.2くらいまではナンピン売りをしようかと思います。まだまだ、ドル円の利益がありますので、1.4くらいまで我慢ができますが、良い子は真似してはいけないと思います。
それとずっと書こう、書こうと思っていて忘れていたのですが、9月からアメリカのテーパリングはほぼ、確定です。9月の利上げはないと思います。
テーパリングは金融引き締めですよ。国債の買い取りを辞めるということは、国債の暴落ではなくリスク回避から国債の買いです。国債価格上昇は金利低下で円高になると思いますよ。
(この記事を書いた人:角野 實)