トランプの性格というのは「緊張と緩和」に尽きると思います。
たとえば、国連の演説では日本の拉致被害者、横田めぐみさんに触れたといって彼の評価が変わるような雰囲気がありますが、この手はトランプがアメリカ議会で初めて演説したときに、イエメンでの作戦で戦死した未亡人を招待し、その夫を称賛し涙、涙の話だったとことと重なる部分があります。
この演説は、大統領就任後、はじめて、まともで、みなに支持される演説をしたと評価されていますが、彼は、批判の嵐になると、こういうことをやりだす性格ということを認識しなければいけません。
所詮、トランプはトランプであって、彼自体は何も変わらない。今までのように暴言を言いまくり、そして非難されるとお涙頂戴の話をし始める、のは天性のもので変わりようがありません。
そして、彼の暴言には必ず、裏があるということ。表面上だけで評価してはいけないということです。たとえば、北のカリアゲデブをロケットマンと揶揄した裏では、国連のアメリカの国連負担金の減額を要求しています。これは、何を意味するか、といえば、戦争するから賛成しろ、と言っているのです。
ロシアの外相が幼稚園児の喧嘩をやめろ、といいましたが、だったらロシアがアメリカ減額分払え、とやれば、ロシアは黙ります。これは、サミットでメルケルを黙らせた手法と一緒です。彼は、喧嘩上手ということを忘れてはなりません。今回は北朝鮮だけではなく、他の危機についても話しをしていきます。
日本の衆議院選挙
衆議院の解散総選挙が確実になってきていますが、本当に自民党が勝ちますか?私は非常に疑問に思います。解散の根拠というものが乏しいですし、そもそも自民党の公約の中に消費税10パーセントの使い道、という点は庶民に拒否感を醸成させます。
そのほか、どうでもいい、加計、森友、真由子さま筆頭に自民党の不祥事などを考えると本当に勝てるのか、と思います。おそらく公示後にマスコミが世論調査すると思います。
日本のメディアはこの辺だけは優秀でほぼ、その結果通りの選挙結果になると思います。それをみてみないと、選挙の結果はわかりません。安倍さんの支持率は株高のみであって、株価が下がればすぐに支持率が下がります。
日本経済は今が、ピークであることはほぼ間違いがないと思いますが、その時期に選挙をやる決断はいいと思うのですが、本当に勝てるのでしょうか?
現状維持できたら良い方と考えますし、今後、世界の経済が停滞することを考えると、株価が下がり、支持率が下がれば、また政界が混乱することになると思います。
ベネゼェラ内戦
原油はこの時期には、需要がウナギ登りに上昇しなければいけないのですが、OPECの減産という理由で生産量が減っています。個人的には、世界の需要が減っているから生産量が減っているとみています。その中でも世界での有数の産油国のベネゼェラが内戦状態にあります。
過去にも、ここは政権が不安定で内戦が起こり、原油価格が1週間で10ドル急騰したことがあります。日量、確か、200万バレルほどを生産していると思いますが、この輸出が止まれ原油市場の原油の需給ギャップがひどくなります。
原油の安定供給というのは、世界成長に対しての必須アイテムになり、価格の高騰は世界成長の抑止を意味します。
イランミサイル実験
4月にトランプがシリアに対して、ミサイル攻撃を行いました。この背景というのは結局、宗教戦争になります。要するに、今年初めにサウジアラビアがカタールと断交をしましたがこれはイスラム教の中でのスンニ派とシーア派のあらそいが全ての端緒になります。
このイランとイスラエル、シリア、サウジの緊張が今、マックスになっており、いつ、なんどき、戦争が始まってもおかしくない状況にあります。スンニ派とシーア派の対立はもうどうしようもないような状況において、イランがミサイル発射実験です。
北朝鮮もアホですが、イランもアホなのです。もちろん、北朝鮮やイランにはそれぞれの言い分があると思いますが、自ら緊張状態に陥れるのはアホです。
海上運賃は暴落状態
これらの状況を踏まえると、ホルムズ海峡が再び閉鎖される可能性もありますし、このような世界的な緊張状態にあるので、世界貿易が停滞する可能性は高いと思います。
結果、ケープサイズの海上運賃は暴落している状況の中で、景気がよくなる、なんてことはありえません。つまり、円安、株高なんて、世間で言うほど楽観できるものではないのです。
救いは北米市場が活発なことです。カナダ、アメリカは好調になります。メキシコは地震があったとはいえ、こういった大規模な災害の後は復興需要のほうが大きいのは経験値ではわかります。
アメリカのハリーケーン被害もその意味では同じになります。南米のブラジルも、一時期の停滞よりは案外加速をしていますのでそれほど、影響は大きくないであろうと読みます。
ただ、アジア、中東、オセアニアは要注意というレベルを超えて、要警戒というレベルになっています。報道をみていると本当に日本は、のんきとしか感じません。言った通り、今年は秋が警戒、という通りのシナリオになってきました。