IMFの世界成長見通しが10日に発表をされ、それをきっかけに円高になったと思います。
正確な発表時刻はよくわかりませんが、たぶん、これ以外に材料がないのでこれをきっかけに円高になったと思います。
その内訳は、
・世界:3.6+0.1
・アメリカ:2.2+0.1
・日本:1.5+0.2
・ユーロ:2.1+0.1
これによって等号、不等号は、「アメリカ2.2>ユーロ2.1>日本1.5」になります。
一方で、各国政府が発表した4-6月期の成長率の年換算は「アメリカ3.1>日本2.5>ユーロ2.1」になりますから、今回の発表でユーロと日本の立場逆転したことによって、右端と左端の通貨ペアはドル円になりますし、また「アメリカ>日本」は円高ですので、円高になっただけの話になります。
日本は2018年の見通しが0.7になり、やはり従前からいうように今の日本の成長というのは、今がピークということを証明する形になりました。
来年になれば、日本やイギリス、イタリーがこの右端の位置が定位置になることは変わりがありません。ただし、イギリスの発表ほどいい加減な数字はないので参考にせず、ということも前から言う通りです。
SEOの意味
SEOに関してはトランプ大統領の税制改革法案などを考慮にいれない数字といっていますが、このSEOの改定値が発表されるのは各国の4-6月期の発表が確定したあとに発表されるのが常であって、要するに4-6月期の数字を参考にSEO発表しているだけの話です。
今回、ユーロの数字はユーロの数字と変わりがありませんでしたが、アメリカと日本の発表は政府発表が高すぎたので、それぞれ、2.2、1.5とされています。アメリカは妥当と思いますが、日本は1.5でも高すぎます。ですからユーロドル、ユーロ円と比べてドル円が動いただけの話になると思います。
つまり円の将来性なんかに誰も期待をしていなく、むしろ、ドルやユーロの方が成長期待が高いのは誰でもわかる話です。また、中国にも触れ、中国も成長期待が高いとしていますが、やはり債務問題が、中国は懸念材料としています。
現在はドル安になっている?!
雇用統計発表後、金利が急騰をしましたが、現在は雇用統計発表前の水準まで戻っています。つまり、今まで一方的なドル高であったのが、ドル高の押し目を形成をしています。
もちろん、現在のドルの上下動は米金利に左右されているのは明らかなので、ドル長期金利が下落すればドル安になるのは必然なのですが、その正当な理由が見つかりません。
やはり、従前から言うように資金需要が弱いから金利がすぐに低下傾向になるのか、とは思います。
ただ、今週末に小売売上高や消費者物価指数、そして卸売物価指数が発表されます。ドル安政策をとったのが4月くらいになりますので、通常、消費者物価はそのドル安効果が半年後に現れるのが通常になります。
今回の消費者物価は9月のものになりますが、おそらく、高いものになるでしょう。根拠は雇用統計で発表された平均時給が前年同月比で2.9と賃金が増えているのですから、2.2くらいが妥当になります。
これがこの数字以下であればアメリカの個人債務が多すぎるということになりますので、アメリカ経済の成長はまだ、万全と言えなくなります。
予想は2.3になりますので、この数字近辺であれば再び、ドル高になることでしょう。つまり、ユーロドルは再び下落になり、ドル高だから、円安だろうと勘違いをして、ドルを買う大衆が、餌食になり、その後、円高になるパターンであろうと思います。
テクニカル面から
本日の基準値は「112.7」になります。そこから、週末の消費者物価の動きをみてから本格的な動きになると思いますので、112.7を基準に0.5パーセントの動きになると思います。
きのうの112円割れはやりすぎですのでいったん戻して、またレンジに戻ると考える向きも多いと思いますが、先週までのテクニカルと今週のテクニカルは一変をしていますので、要注意になります。
(この記事を書いた人:角野 實)