専門家連中は長期トレンドから、ドル安と叫ぶ方が多いのですが、実態はドル高の流れは止まらない。
なぜなら、
① 10月から国債の買い入れ額を減らしており、国債の買い入れ額減ということになります。すなわち、それはドルの供給減を意味し、ドル高になるということです。
② アメリカ3.1>日本2.5、IMFではアメリカ2.2>日本1.5この不等号をみてもドル高は明らか。
③ 企業物価前月比アメリカ0.4>日本0.2
消費者物価前月比アメリカ0.4>日本0.2
前年同月比アメリカ1.9>日本0.6、物価指数からみても、ドルのほうが強いとみて当然の結果です。
逆に、ドル安になる要因というのは、
1.アメリカの物価上昇は、企業物価の弱さを考慮にいれるとわけがわからなくなりますが、消費者物価は1.9パーセント前年同月比で上昇しています。「FRB」が2パーセントの目標においていることから、2パーセントをインフレと考えるのであれば通貨安になり、すなわちドル安になる、ということになります。
2.金利が低いことが叫ばれますが、金利が安いということはドルの価値も低減することになります。これはドル安要因になります。
問題点の整理
まず、各種物価指標は、本日がアメリカの消費者物価指数の発表になります。予想は前月比0.2パーセント、前年同月比で2.3パーセントになります。日本の消費者物価指数は月末の予定になります。
この前年同月比2.3パーセントという数字は雇用統計の平均時給が前年同月比で2.9パーセントでしたので妥当というよりも、若干高めの推移になります。
ただし、予想より低い数字になったとしても、「FRB」の掲げる年間2パーセントを達成する数字になりますので、この物価目標を達成したのですから、ドル安を放置する意味がない、ということになります。
問題は、企業物価と消費者物価のかい離が日米ともに大きく、これは、企業物価が上昇しても、消費者物価の上昇を引き起こさない。
上記は20012年からの日本の物価指数になります。系列1が企業物価、2が消費者物価、4が右軸の日経平均になります。
要するに、企業物価は上下動しますが、企業物価が上昇したときには消費者物価は上昇せず、下落したときには下がらないということになります。これは日米双方、同じ傾向にあります。
つまり、現在、企業物価の上昇に対して消費者物価は上昇しないので企業の収益が鈍化することが予想されます。つまり株価が下がることが予想されます。その時期は、今度の4半期が来年1月になりますから、今の株高はもう、そろそろ終わりになる可能性があります。株価は景気の先行指数というのを忘れてはいけません。
株価が下がれば、普通は債券価格が上昇になりますので、ドル高になります。
つまり、今後の見通しを考えてもドル高の可能性は非常に高いことになります。どうロジックをつけてもドル高、円高になると思います。
その企業収益が悪化すれば円高材料、そして企業の収益が下がれば賃金も下がる、の循環になるのです。でも、FRBの年間2パーセントの物価上昇は達成することになるでしょう。
言いかえれば
日本の選挙のタイミングは絶妙で安倍さんは絶好のタイミング、つまり日本、アメリカ経済のピークで選挙を行ったのです。中国も全人代以降は減速するでしょう。
そろそろ、中国のGDP7-9月期の発表になりますね。選挙後も高い、と騒いでいる連中はいますが、絶望的でしょう。毎回、毎回、選挙期間中はマーケットに悩みますが、今回も相当悩みます。
そんな中、ビットコインが新高値超えというのは、いったい何なんだろうと思いますが、ドル高が鮮明になると暴騰しています。
本日のドル円
基準値112.6になります。この基準値が下がり始めていますので7:3の戻り売りでしょう、1パーセントの動きだと思います。
専門家連中は、消費者物価指数は重要指標と言いますので、この数字が極端な上下動をすれば、大きく動くことでしょう。なんだか、毎日が動かないのでむなしいので、ポンドを買ってみました。
(この記事を書いた人:角野 實)