今日はトレードの中でも、いちばん短い時間で大きく狙っていく方法を解説します。いわゆる「FOMC」や米雇用統計などを利用した「重要指標発表前後のトレード」です。
・トレード時間は重要指標の発表前5分~後30分
FXまたはバイナリーオプションを使います。
このトレードは本物のディーラー並の集中力が必要とされるかもしれません。しかしメリットとしては一日の値動きに匹敵するくらいの値動きが得られます。反面、それだけ損失を出すリスクも存在するわけです。
重要指標や金融政策の発表は、日銀会合を例にとっても日本では時間がアバウトですが、アメリカの経済指標などは時間が厳密に守られています。
わたしは何度もシミュレーションや実際のトレードを重ねるうちに、発表される指標によって動き方に癖があるのに気づきました。それぞれの癖や特徴を見抜いて対応することで勝てる可能性があるということです。
動き方のパターンを知ることで一度勝ち始めれば、トレードが面白くなることはうけあいです。
ちなみにトレードの手法としては事前に指標の内容を予測してかけるのではなく、あくまで指標発表前後のチャートの値動きをもとにしたテクニカル的なトレードで仕掛けていきます。
値動きの事前の予想は可能か~米雇用統計の例
つい最近の例をあげます。
10/6発表
【米雇用統計 九月の非農業部門雇用者数】
・市場予想+8.0万人 結果ー3.3万人
・失業率予想 4.4% 結果4.2%
この回は注目されていました。好調な景気拡大に支えられ雇用者の伸びが続いてきた雇用統計発表でしたが、相次いだハリケーンの影響でどうなるかが市場の関心事でした。
結果は予想外のマイナス3.3万人。当然、発表直後の暴落が予想されるところです。
ところが、
逆に暴騰しました。もちろん失業率が前回と今回予想の4.4%を下回っているのであくまでハリケーンによる一時的な減少だという判断はあったでしょう。しかしそれにしてもマイナスの数字が出たとたん暴騰するのは少し意図的なものも感じさせます。
わたしはリアルタイムでネット配信を見ていましたが、解説の人はしばらく言葉を失っていたようでした。わたし個人はこの回の雇用統計は事前のチャートの動きに対し逆張りをして円安予想で勝っています。(少し勇気が要りました)
9/1発表
【米雇用統計 八月の非農業部門雇用者数】
・市場予想 +18.0万人 結果 +15.6万人
・失業率 +4.3% 結果 +4.4%
この回は雇用者数の増加が減少してしかも失業率が悪化しました。直後の暴落は自然な流れです。発表直後にはいきなり50銭の円高になっています。しかしそのあとはきれいに大底をつけて元値近くまで上昇しています。
最近の傾向ですが雇用統計で動く幅は50銭くらいで悪い数字がでても戻す傾向が強いようです。かつて大きく動くときには1~2円の幅の時もありましたが、それだけ市場にはアメリカの実体経済に対する信頼があるのでしょう。
このチャートを見る限り発表前と発表後の二回エントリーチャンスはあります。待ち伏せ的な逆指値売は成功すれば気持ちいいですが
逆襲された可能性もありますね。大陰線が一分だけでてあとは戻しています。本当にテクニカルな狙いですが、下値で一分足の一本陽線で乗ったら大勝ちでした。
8/4発表
【米雇用統計 七月の非農業部門雇用者数】
・市場予想 +18.0万人 結果 +20.9万人
・失業率 +4.3% 結果 +4.3%
市場予想より20万人台の増加で順当に上昇しています。これくらいきれいに上げてくれればわかりやすいですが値幅は50銭くらいです。
それに、これ以前には発表直後に失速して頭打ちも多かったので数分間は目が離せなかったでしょう。この回は20万台事前予想で買いに入った人も勝てたかもしれません。
【まとめ】
今回は「雇用統計」に限って過去三回分見ていきましたが、1分足チャートで見ると動きに独特のパターンがあるのがわかったと思います。
指標発表の時に事前にいろんな統計から予測したり、予想会社の数字を参考にしたりする人も多いと思います。方法は人それぞれなのでどのやり方が優れているとは一概には言えません。
しかしひとつだけいえることは、たしかに予想そのものは必要ですが、一番大事なことは正確な発表数字を予想することでなく、その数字を受けて市場がどう反応するかということです。つまり実際に市場がどのように動くかという方がはるかに重要になります。
最初の例のように、8万人プラス予想がマイナス3.3万人に今回は減少するという数字をもし事前に知っていたとしたら、はたしてあなたは買い(円安)の方向にかけることができたでしょうか。
統計や金利発表の時にはこのような市場の動きの問題がつきまとっています。わたし自身は、統計の数字そのものを無理に予想しようとするより、発表前後のチャートの動きを見てすばやく相場に乗ったほうがはるかにベターだという結論に達しています。
◎重要指標発表の時は数字を予想するより、前後の市場の動きを利用する(1分足チャート活用)