前回の選挙、そして去年のトランプラリーなど、「選挙相場というのは本当によくわからない」というのが素直な感想になります。なぜ、これほどまでに円安に行くのかはさっぱり理解できません。
もちろん、懸念をしていた世界貿易が去年と比べ大きく拡大をしていて、世界各国が貿易でのGDP増が見込まれることが世界的な楽観を生み出しているのは理解できますが、日本の株価などは実力以上に買ってしまい、今後、どうするのか?という疑念が自分の中で全く消化ができません。
何度もいうように、今の日本経済の実力なんぞは、真の実力でもなんでもなく「単なるまぐれ」としか思いようがないのです。つまり、大儲けした投資家が数年で消えるのと一緒のことで、数年たてば、また大不況、「デフレ」になるのは目に見えているとは思います。
何が問題かといえば、GDP比率に占める個人消費というのは日本の場合7割であって、その個人に全く景況感がよくなっているとは数字上でも、実感でも、ちっとも感じられないということが大きな要因になります。
その代わり企業の景況感は抜群にいいと思うのですが、企業は儲けても内部留保を増やすだけで賃金などの形でちっとも還元しない、つまり、お金の循環が企業で止まってしまい、経済がちっとも循環をしないのです。
お金を貯めるとか資産を形成するという概念は間違いで、使ってナンボで、その資金を購買や投資によって増やすということが本来の使い方だろうと個人的には思います。お金というのは、何度も言うように、「価値を測る単なる道具」であって、資産ではないということです。
道具というのは使ってナンボであって、使わない道具はどうやってそれを活用するのかを考えなくてはいけない、とは個人的には思います。道具をいっぱいもっている人が金持ちと現代では表現するようですが、要らない道具をいっぱいもっている金持ちなんて、私はちっとも魅力を感じません。
その活用が上手にできる人を金持ちというと思うのですが、違うのでしょうかね。
GDPの発表が近づいてきた!
アメリカの7-9月期の「GDP速報値発表」が近づいてきました。すでに中国が7-9月期が予想6.9から6.8に低減をしており、日本の輸出先1位、2位の経済大国の減速がほぼ確認されています。
特に日経平均株価というのは、中国とアメリカの経済に大きく依存をしており、この両国が減速するのであれば、普通、株価など上がりようがないはずなのに、雰囲気で買ってしまっているのは、違和感を覚えます。
アメリカの7-9月期GDPはだいたい、予想レンジが「2.5-2.7」程度であり、前期が「3.1」と出来すぎになりますので、減速がほぼ確実になったと思います。
おそらくこの週末の速報値の発表で、前期の訂正が出るかもしれない、と考えておくのが無難だろうと思います。つまり、両国の「GDP」が減速するので、日本の株価など上昇しようがないのに、なぜか、選挙の影響で買われる、それほど、「アベノミクス」に大きな期待を寄せるのかな、とは思います。
損失の先送りをしているだけの日本
もう、聞き古している「アベノミクス」という言葉に新鮮味は全くありません。むしろ、景気がよくなっても緩和策を緩める気なんてさらさらないだろうな、とは思います。では、その出口をどうするのだろう、と本当に思っています。
日本の債券は7割、日本銀行が買い、日経平均は2割、国の資産が買い、どうやって逃げるの?思ってしまいます。逃げそびれたら、誰も責任を取らず、また国民負担か、と思うと嘆息します。自民党のやり口なんて、わかっていることなのに何回みなさん騙されればいいのだろうか、とは思ってしまいます。
古い話ですが、国鉄の清算なんて国の政策の失敗、電電公社も使用者に負担を押し付け、それでのうのうと政治家をやっている二世のボンボンなど、頭がおかしいとしか感じません。あれほどの赤字を出して、なんで平気で政治家を続けられるのだろうか、と思います。
この買いすぎた資産の逃げ道なんてあるわけないし、また巨額赤字が襲ってきます。今の「アベノミクス」に将来性を感じなく、単なる、ずっと続く、損失の先送りです。
何も根本的に変わっていないというのが感想です。話がそれましたが、日本の4-6月期の成長が「2.5」で、ま、インチキもほどほどにしろよ、とは思います。
ただ、今期の株価の推移をみると、7-9月期はたぶん、2パーセント台なのだろうな、とは思います。下手したら、アメリカが2.5の場合、日本がそれと同等かそれ以上になり円安が加速する可能性もあるのかな、とは思います。
何も変わっていなく、個人消費を減らす消費増税をして、本当に日本はよくなるのか?と思います。目先の株価が上昇したからといって自民党に本当に政権をゆだねて大丈夫かな、とは思います。
「アベノミクス」でまがいものの景気の良さを感じて、そして墜落していくことを思うとまた、嘆息です。企業の時代など、もうそろそろ終焉でしょう。それに注力する現政権をみて、時代遅れの時代錯誤としか思いません。これからITが発達してほとんどのサービスが個人発信になるでしょう。
GDPの70%は個人消費
個人の時代に移行しようとしているときに、図体のでかさと意思決定の鈍牛のような遅さの日本企業などにはあまり未来が見えません。日本を本当に成長させたいなら、個人に手厚いことをしなければ将来はないとは思います。
GDPの70パーセントを占めるのは個人消費なのですから、個人消費をどうやったら伸びるかを考えるのが政権の仕事なのに、企業に注力をする、小学生でもわかる話なのに、と思います。法人税減税で消費税増税なんてやっていることがまるで出鱈目なのです。
(この記事を書いた人:角野 實)