日本のGDPの値は本当にびっくりした、というのが本音なのですが、一方でドル高が異常な勢いで進行をしています。
日本GDPについて思うこと
よくよく、考えると、去年、起こったことを考えます。年初はいきなり「チャイナショック」で「マイナス金利」をはじめて導入しました。そしてブレグジットで暴落。年後半には、トランプ当選ははやしてトランプリスクが注目されましたが、結局、トランプラリーになってしまった、というさんざんな一年でした。
つまり、日本を含めて、去年の景気が悪すぎたから、年換算で3.2パーセントという数字をみると、ま、それなりの数字なのかな、と思う次第です。前期比ではプラスの0.6なのですが、ま、そんなものでしょう、という数字であって妥当な数字になるのです。
参考までに、前期の引値、つまり9月の引値は112.5になりますから、その0.6増となると、113.2くらいが妥当な金額になります。アメリカは3.3ですので、そこから計算をすると、やはり為替は円高になり、107円くらいが妥当な水準になります。
つまり、目先は円安にいくかもしれないけれど、やっぱり円高になるのは明白なのです。つまり今年は景気がよい、よいと騒いでいますが、来年は、ここからプラス成長を維持しないといけませんので、本当に成長ができますかいね、ということです。
2016年の年換算のGDPはマイナスであったのですから、今年は3.2が維持できた。来年はこれ以上に成長をしなければいけないのですが、より一層に予算の配分が大事になるのですが、その政策パッケージをみると、ホンマ大丈夫かいな、と思うことしきりです。
単なるバラマキであって、そのバラマイタ税金を回収できなければまた、赤字が増えるだけの話で、プライマリーバランス黒字化など夢、また夢です。
ということで、土日に相当悩みましたが、やはり円高路線は継承です。なんだか日銀の黒田さん続投の気配ですが、あれ以上、政策を理解している人がいないから、彼しかいないと思います。
他がわかってなさすぎるからね。本来ならクビの人ですよ。なぜなら使ったお金に対して、そのパフォーマンスが悪すぎます。あれだけの金額を使って何の結果も出なかったら、もうクビというか、監獄行きでしょうし、あの緩和をやってこの結果で、胸を張れる結果ではない、と思うのです。
本人はよくやった、と思っているらしいのですが。流行りの言葉でいえばコスパ悪すぎですよね。
ドル高が急激な勢いで進行中
オーストラリアなどやっている方はすでにお気付きかと思いますが、新興国、資源が大暴落をしています。これは、何を意味しているかといえば、ドル高が大幅に進行をしているということです。
これはトランプの税制改革のひとつで、法人税改革のひとつにレパトリ減税が含まれているからです。
つまり、このレパトリ減税をおこなえば、新興国に滞留しているドル資金が一気に来年、アメリカに回帰をすることが鮮明になりますので、その結果、新興国、資源国がドル高、通貨安になるという思惑です。おまけに、今週のアメリカの利上げはほぼ確定的です。
今年の「世界成長予則は3.6」で、「アメリカが3.0」、「日本が3.2」、「ユーロが2.5」なのですかた、先進国が経済を引っ張っているわけではありません。少なくても去年は、この数字以下に先進国なわけですから、新興国が世界経済を引っ張っているのです。
その新興国、資源国の経済が停滞をすれば、世界の景気はどうなるのか、自明なのですけどね。
トルコばばぁがトルコが為替介入をするから買いとか、また利上げもするでしょ。だいぶ、前に言いましたが、新興国というのはドルのレパトリによっていつかはこういう日が来ることを想定していて、そのために、つまり資金流出防止のために、利上げを行うのです。
そこに為替介入をやる国の通貨を買う、なんてアホな推奨をすること自体が間違いです。介入しなければいけないほどその国の状態が悪いのですから、通常は利上げどまりで介入をするというのは緊急事態です。そのドル高を受けて、ゴールドが暴落をしているのです。
これ、本当に天井になるかもしれませんね。私の感覚からいえば、金の1200ドルなんて高すぎて、ということです。せいぜい500ドルが適正値であって、1200ドルなどキチガイの値段です。
なんとなく
2015年のパターンと似ているような気もします。先進国の景気がいいので、みなさん浮かれていますが、上記のように、世界の景気は新興国が引っ張っています。
確かに先進国のウェイトは高いのですが、でも成長余力が高いのは新興国です。つまり先進国の成長なんて知れているけど、成長国はとんでもない数字を叩きだす可能性もありますので、その可能性は新興国のほうが高い。
その新興国がドル資金流出で、しばらく苦境になると思いますが、トランプはそれによって経済的苦境になってもアメリカファーストですから、気にも留めないでしょう。何か、暴落しそうな感じがすると、感じているのは私だけですよね。
(この記事を書いた人:角野 實)