アメリカの貿易赤字が発表されました。コンセンサスは68.1Bドルでしたが、結果は69.7Bドルと予想以上の数字になります。
・South and Central America ($3.9)
・Hong Kong ($2.3)
・Brazil ($1.1)
・Singapore ($0.7)
・Saudi Arabia ($0.3)
・and United Kingdom ($0.2)
・Deficits were recorded, in billions of dollars, with China ($31.9)
・European Union ($12.0)
・Mexico($6.0), Japan ($5.9)
・Germany ($5.3)
・Italy ($2.7)
・South Korea ($2.7)
・India ($2.1)
・Canada ($1.9)
・OPEC ($1.6)
・France ($1.6)
・and Taiwan ($1.6)
上記は経済統計公社、BEAからのコピーになりますが、貿易赤字の内訳になります。
圧倒的に、中国の31.9Bドルが抜きん出ています。トランプが常日頃、貿易赤字、貿易赤字と言っていますが、この貿易赤字を全額解消するのは無理な話であって、この金額を減らすことに腐心をしているから、間違いの要求でも、平気で行うのです。
政治的な手腕ということから考えると、何も中国から貿易赤字を解消しなくても全く、良くて、たとえば、中国の赤字を維持したまま、日本やドイツ、メキシコから中国の貿易赤字の分を稼いでもいいのです。つまり、貿易赤字を減らすためであれば、トランプは何でもやるつもりなのだと思っておけばいいのです。
それを、トランプの日本に対する要求は的外れとか、言う方がたくさんいらっしゃいます。
自動車関税を引き下げよ、と日本にトランプが要求したら、日本にはアメリカ車の輸入関税がないのも知らないで間違いだらけの要求だ、と言います。
でも、本人にしたら、貿易赤子の額を減らしたいのだから、中国の赤字を減らすのは無理だと思っているけど、日本やメキシコの赤字であれば、なんとかなると思っている節があります。
トランプのツイート
こういう貿易赤字が発表されたときに、こういうツイートをするということは、要するに中国の言い分は今後、一切、受け入れない、と言っているのに等しいことになります。
先ず、一番、大事なことは、人間の口というのは、直近に起こったことを口に出すのが80パーセント以上のことで、直前まで、その人が何を考えているのかを図るのには、その話している内容を確認すれば、その人の直前に何が起こったのかはかんたんにわかるようになります。
私のようにいつもネガティブなことを言っている人間には、ま、たいていマーケット関連の間違いだらけの報道をみて頭にきて書いていることはみなさん、ご想像できるでしょうが、要するに、人間の口というのは、必ず、直前に起こったことを基準として、話す、書くということが基本なのです。
個人的には、トランプと習は仲が良くないと思っていますが、中国が北朝鮮に対して制裁を行うといっていることから、トランプは習のことを友人だと言っているのだと思います。
そもそも、トランプが、共産党が好きなわけがない、とは思います。その中国が激しいトランプに対して裏切り行為をしたのですから、今後のアメリカと中国の関係には注意しなければなりません。
つまり、アメリカがまた無理難題を要求するか、それとも、中国が平身低頭するのかをよくみないといけないと思います。ともかく、貿易赤字はトランプにとっては頭から離れない問題であり、この赤字は注意をしたほうがいい。でも、彼のこのツイートをみれば、中国に何らかのアクションを起こしても不思議ではありません。
トランプのツイートは常に直前に彼の身の回りで起こったことをツイートしており、今回貿易赤字の発表とこのツイートがほぼ同じ時刻ということは、彼が次に何をやるかの行動を示唆します。こういうことを知っていれば、トランプの行動などは全然、予測不能ではないのです。
シカゴPMI
なぜか、ISMのシカゴにサーバーがつながらず、詳細な数字が出てこない状況です。シカゴPMIはPMI指数の先行指標であり、これによると、PMIの総合指数、今回は、かなりよくなることが見て取れます。この数字は要チェックになります。
PMIは毎月第一営業日が製造業、第三営業日が非製造業のPMI指数の発表になります。
(この記事を書いた人:角野 實)