エンパイアステート指数なんて格好いい名前、と思うのは私だけなのでしょうか?
要するにニューヨーク連銀の景況感指数なのですが、そのニューヨークのシンボルでありエンパイアステート・ビルから取った名前になります。
この指数は一番、信用ができるISM指数の先行指数がフィラルディアフィア連銀指数になるのですが、それよりも先行をするのがニューヨーク連銀指数になります。
ニューヨーク連銀指数、エンパイアステート指数
昨日発表された指数は以下の通りになります。
製造業の景況感指数に関しては、これまでも何度も解説をしましたが、いまだによくわかっていない方も多いと思いますので、もう一度書いておきます。
景況感指数には。日本で代表的なものは日銀短観、アメリカではISM指数、ユーロ圏ではドイツのIFO指数があります。このうち、世界でもっともすぐれている指数と言われるのは日本の日銀短観になります。なぜなら調査対象が広範囲にわたり、信用に値するからです。
その割には、日銀短観の解説をしたことがない、と言われそうなので次回は解説をいたします。アメリカの景況感指数に関してはISMが代表的なものになり、その先行にはニューヨーク、フィラデルフィア連銀の景況感指数があります。
景況感指数というのは単なるアンケート調査になるので、具体的に何パーセント成長、減速になるかはわかりませんが、みなさんが一番知りたい、景気の先行きやマーケットの先行きをよく分析をすればわかる可能性が高いから、この景況感指数が注目をされるのです。
マーケットでファンダメンタルズを中心に分析をすると、このISMなどの景況感指数の分析はマストになります。この景況感指数で一番大事なことは、現状の指数などは現在のマーケットが織り込んでいますので、先行きの指数が一番大事なのです。
今回のニューヨーク連銀指数が下がったと、囃す方が数多くいらっしゃいますが、期待指数を含めた総合指数が下がったとしても大勢に影響はあまりありません。
今回の数字は前回、18.0だったものが17.7になったのですが、総合指数の話ですので、その現状はすでにマーケットに織り込んでいるのです。ですから、個人的にはあまり関係がないと思っています。
重要なのは先行きの期待指数で、上記のウェブでは赤い線になりますが、これがアップトレンドだからまだ、アメリカ経済の拡大が続くよね、と考えるのが妥当になります。これは1月の数字になりますので、2月に発表されるISMの総合指数は悪化するけど内容は悪くない可能性が高いということになります。
考えてみてください。景気の先行きがよくなる見込みが高い場合は、みなさんお金を使いますよね。つまり、この先行きの期待指数が上昇するということは、お金を使う可能性が高い、つまり景気の好調さが持続をするということになります。
だから、この期待指数が大事なのです。要するにアメリカは冬になりますが、基本的には景気の良さは好調ですが、不需要期になりますのでどこかでいったん必ず悪くなるという基本路線は変わりません。
また、これだけドル安になって、そのうえ、年末商戦があれだけ好調だったのですから、この数字にも納得がいきます。
本日のユーロ指標
あまり、ユーロの指標に関しては詳しくはないのですが、本日はユーロ圏の消費者物価指数発表になります。去年の5月からユーロ高を示現しており、そろそろ消費者物価指数が、ユーロ高の影響を受けて下がり始めるころになります。
今回は改定値の発表になりますが、前回1.5だったものが今回は1.4のコンセンサスです。しかし、去年から20パーセント近くもユーロが上昇しているのに、消費者物価がプラスを維持しているというのはあまり考えられません。
日本の指標
ようやく日本の指標が低下してきた、というは私が一番、注目している企業物価が0.2の上昇でここ最近の大きな上昇が低減してきたことに注目です。これだけ円高になれば低減するのは当然の話であり、そもそも前年比3.2というのはおととしが悪すぎただけの話です。
これで、東日本震災直後の物価と同水準になっただけの話で、あの時のレートが70円だったことを考えると、多少はよくなっているのでしょうが、物価水準は東日本大震災と一緒です。それで景気が良いと言われてもどうかね、と思います。
本日の動き
ユーロドル相場が高値安定ですが、アメリカ株が高値から急落になります。アメリカ株は調整がほぼ確定になったと思います。
それを受けてリスク回避の円高が発生をしていますが、ドル円に関してはたぶん大きな戻り、つまり日経平均が高すぎることからドル円をヘッジで売っていたファンドが買戻しで円安になることを想定していましたが、世界の株が下がり始めると今度は世界からヘッジの円買いが入るので戻りたくても戻れないジレンマになります。
ドル円が戻るのにはユーロドルが下がるか、ないしは、世界の株価が調整が終了することになると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)