ドル円相場はFRBの利上げと国債の売りオペレーションの開始で今年は市場の予想はどちらかといえば円安トレンドでした。ところが蓋を開けてみればいきなり7日連続して円高になるなど円高トレンドが起きています。
基本的に現在の円高には特別な理由があるわけではなく、想定される円のレンジがアメリカの政治的な圧力などで少し切り上がったままなのだと見ています。
しかし、100円を超えるような極端な円高が起きるわけでもなく、今年も去年の108円~115円というボックスゾーンを踏襲している動きが続くと予想します。
トランプ相場は円高傾向ももたらしていますが株価の大幅上昇などメリットも大きく、むしろその肯定的な面に視線を向けるべきでしょう。今日は限定的と思えるドル円相場のドルの買い場について予想したいと思います。
日足では明らかに円高局面のドル円相場
【ドル円 日足】
このように日足ではボリンジャーバンドのσ-3付近を下げ続けて現在110円台まで来ました。7日連続の陰線は少し予想外だったですが、下げ幅はそれほどなく落ち着いた動きををしています。
下値で陽線が出たのでもう底値圏ではないかと判断します。来週は値固めをして反騰の機会を伺う動きになると予想します。陽線が出たときにはすぐ反発する可能性も伺わせましたが、来週はあと1、2日下押す可能性もあります。
ただしドルの「買い場」であることは間違いなく、110円付近が底値買いのチャンスだと見ています。もしここから反発すれば前回と同じような動きになって113円付近までは上昇するでしょう。
しかし値動きは限られています。現在はゆるやかな下降ボックスなのを見ればわかるように全体的には調整局面にあります。
為替相場はいい意味で安定しているので大きな動きは期待しないほうがいいでしょう。大きく取りたいのなら、日経平均やNYダウのような株式市場や暗号通貨の市場の方がはるかにボラティリティは期待できます。
週足も去年より狭いレンジに移行中
【ドル円週足】
こうして見ると去年の108円~115円のボックスの動きと比べても現在がより狭いレンジになってきているのがわかると思います。
去年は年初からトランプ政権の貿易不均衡是正発言と北朝鮮問題で大きく円高になる局面がありましたが、今年は水面下でいろんな動きがあるとは言え情勢は落ち着いています。
そのような情勢の変化を反映してドル円相場はさらに小さなレンジになりつつあります。日足で見ればそこそこ動いているように見えますが、こうして週足で見ればボラティリティの低下は歴然としています。
このような落ち着いた動きの中で上下動を繰り返し、最後は去年の円の高値1ドル=108円のポイントまで行く可能性があると読んでいます。時期的には2018年半ば以降になるのではないかと予想しています。
ドル円は今年もやや円高傾向か しかしレンジは限られる
ドル円日足 Hi-Lowチャート
これは去年の動きと年末から今年現在までの動きを日足で比較したものですが、こちらの方が動きはわかりやすいかもしれません。
去年一年を通じてやや円高傾向だったのがわかると思います。しかし半ば以降はほとんどボックスに近い動きで、9/7に一時107円台をつけて底が入りました。
典型的なボックスの中の逆行型の三角波動が生じています。現在はより小さな下降形のチャンネルになってきているのがわかると思います。この動きがしばらく(場合によっては数ヶ月以上)続くと予想します。
ドル円相場の今年のトレンドは三月のFOMCで決まる
今年は三回の利上げが予想されています。予定では3月、6月、12月のようですがこのパターンだと去年と全く同じ形になります。市場の予想は最初の利上げは3月ですが、ほぼ間違いなくここで0.25%の利上げが行われるでしょう。
問題はこの時のドル円相場の動きです。12月の利上げで円安にならずにむしろやや円高になったように、もし3月のFOMCのタイミングで円安にならなければ今年一年を通じて円高ということもありえます。
といってもあくまで115円まで円安が来ないといったレベルのことですが、とにかく円安トレンドが起きるかどうかは3月のFOMCを見ていれば大体の予想はつくと思います。それまでの為替の動きですが、チャートを見る限り現在のトレンドが続くと見ています。
ただ動きがないように見えてこのように日足チャートをみればきれいな形が出ているので、デイトレーダーでなくても数日~数週間の保有で上げ下げを取っていくことは可能だと思います。
実際に来週はチャート的にもドルの買い場に差し掛かっていると思うので、一ドル=110円台は十分ドル買いで行くべきだと思います。
まとめ
★ドル円相場は今年も長期的には108円~115円のボックスゾーン。日足チャートは現在逆行型の下降チャンネル。
★今年は去年よりもドル円相場は狭いレンジ。ただわかりやすいチャートパタ-ンが生まれつつある。場合によっては年央まで現在のトレンドか。
★今年はFOMCで三回の利上げ予定。3月に最初の利上げ予想だがこの時の動きで今年一年のドル円相場は予想できる。