読み込み中...
上記はドルの実効レートの2010/1から2018/2までのチャートになります。移動平均はいつもの通りの10と30になります。時間のある方は御覧になっていただければおわかりになると思いますが、ドル円の月間足と近似をしています。直近でいえば、移動平均10.30がデッドクロスをしており、月間足ベースでは、ドル安傾向になると思います。
なぜなら10.30ともに下方向のトレンドであり、デッドクロスの完成形になるからです。しかし、これは月間足ベースのことであって、日足ベースでみていきましょう。
上記はドル実効レート日足、20181/2～3/5までの足です。移動平均は10.30になります。これをみると、日足ベースでは、3/5時点ではゴールデンクロスがわずかばかりに完成をしています。30がアップトレンドか、どうかは判断を下しかねます。ただ、3/5の時点ではわずかに、上か、下か、と問われれば、若干、上方向と答えるのが無難な回答になると思います。
つまり、上記、月間足と組み合わせると大きな流れはドル安だが、そのドル安には戻りが入ろうとしていると判断することができるといえると思います。
上記はドルの実効為替レート、円の実効為替レートになります。日足になります。青がドルの実効為替レート、オレンジが円の実効為替レートになります。
右軸が日本円になります。これをみると、日本円の実効為替レートは、年初80からスタートをして、3/5時点では84くらいになります。約5パーセントの円は上昇を果たしています。つまり、これは5パーセントほど円安が進行をしていることになります。
決して、円高ではない、ということに注意をしてほしいと思います。
ドルは年初113ポイントで、現在111.5程度になります。約2パーセントの下落になります。こうやって考えていくと、ドルが2パーセントの下落、円が5パーセントの上昇になりますので日本5＞アメリカ-2になりますので、現時点では円安に行かなければいけないということになります。
上記はドル実効レートと円の実効レートから算出したドル円実効レートで左軸、系列1、青い線になります。3/5までの足になります。オレンジの線は実際のドル円相場できのう、3/14まで記入してあります。
実行為替レートとは？
実行為替レートというのがよくわからない人にとって、上記のグラフは全く意味が分からないと思いますが、本来の意味は実際の貿易量からみた、為替レートを推察しようという試みになります。
つまり貿易の量によって、為替レートを計測しようということです。
今の時期の貿易
アメリカに関しては何度も言うように、アメリカは冬になりますので、製造業の動きが鈍い、つまり、貿易が減るということになります。だから、トランプは中国に知的財産への報復処置を取り、鉄鋼、アルミへの関税をかけると発表をするのです。
冬場のアメリカの貿易は停滞するということです。日本は、たとえば、G７の中では、南の位置に存在している国であり、冬の影響は少ないということが言えると思います。
ただし、主な貿易相手である、中国、アメリカは冬になり、その貿易は減る傾向になります。しかし、中国、アメリカの貿易の落ち込みと比べると輸出は好調になるから実効為替レートレベルでは、円安になるのです。
今後は？
まず、トランプが、さまざまな貿易振興策を発表しているのは周知のとおりになります。つまり、去年も4月にトランプが吠えた通り、1-3月にアメリカの貿易が停滞をしたので、今年は思いっきり、ドル安政策をとったのですが、結果は、大した結果がでず、貿易赤字は増加しているから、さまざまな貿易振興策を取っているのです。
報復関税や301条項を駆使しているのが現在の姿です。年初から円高になったのは、上記のグラフからいえば、非常に簡単な話で、結局、ドル安がすべての原因です。
ただ、アメリカの実行為替レートは、すでに上を向き始めています。そのうえ、まだアメリカの現地は猛吹雪などによって、経済活動は停滞をしていますが、すでに3月で、春に向かい始めていますので今後、徐々に回復すると思われます。
要するにドル高になります。目先は私も全く当たらないことにイライラしていますが、どうせ、円安に向かうでしょ、としか認識していません。
そして一番上のアメリカ為替実効レートをみればいったん戻りがあったとしても、大きな突込みがあって、ドル安のピークを迎えると考えるのが妥当でしょう。このまま、ドル安に大きく向かうようなことはないだろうと、経験上思います。
（この記事を書いた人：角野 實）
