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2018年、新年度相場入り

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さて、春分の日も経過して、生物学的な新年に入りました。暦の上では、新年は1/1になりますが、生物の活動が活発になるのは春分の日を境になります。

この日を境に、木々は成長し、動物やそのほかの生き物は生殖機能が働き始めるものです。生物の進化というのは、春から始まると考えれば、マーケットも人が扱うものです。人の変動というのは、マーケットの変化になると私は考えています。

再びテンプルトン卿

「マーケットは悲観で生まれ、懐疑で育ち、楽観で終わる」、この言葉はテンプルトン卿が言ったことを知らない人は多数いると思いますが、言葉自体は知っている人は多いことでしょう。

前回は中小企業楽観指数をご紹介しました。中小企業の楽観指数は、過去のデータからは楽観の極みです。そして、同じ景況観指数のISM指数の工業部門の本日発表になります。
前回の数値は60.8になりますが、近年の過去最高をみると、60近辺で頭を打っていることを考えると非常に懐疑的になると思います。本日の発表はコンセンサスが60になりますが、この数字がよくないようであれば、相当なダメージがあるでしょう。
フィラルディアフィア、エンパイアステート、シカゴなどの景況感指数がISMの先行指数と言われていますが、これらの数字は何れも悪化しています。そのほか、自動車販売が発表されます。
自動車販売は、昨年のハリーケーン被害の影響で減少し、その後、回復が一巡しました。この数字次第では、やはり産業のすそ野の広い車産業は全米の景気を左右することになると思います。
そのほか、日本銀行の短観が先ほど発表されました。
この2年間、ずっと大企業の景況感指数は上昇をしてきましたが、今期は円高の影響でこの指数が悪化しています。この数字も過去の数字からみると、最高値近辺にあって、危ういと思います。

経験則から思うこと

今年の2月にVIX指数が低位安定するものと勘違いした連中が、VIXを売り込み、その結果、売り込みすぎが原因で急騰をしました。

東証のETFはVIXのETFは販売停止です。このことから考察されることは、人間というのは状況に慣れてしまう生き物です。今回の場合は、日銀短観、この大企業の景況感指数は2年間上昇したしたままです。この状況というのはVIX指数がゴルディロックス相場という、一見、安定はそのまま続くと勘違いした連中が売り込んだ状況と同じです。
景気というのは循環であって、2年間上昇し続けたら、バブルの最中にいる人たちはその景気が永遠に続くと勘違いしがちなものです。しかし、実際にそんなことはなく、好景気循環というのは、いつかは終わる、ということを認識するべきです。
相場の基本の「キ」として、2年ぶりの高値、安値は要注意ということがあります。つまり1年以上経過した新高値、新安値というのは、投資家を皆殺しにするというものです。
たとえば、ドル円であればブレグジットの際に出した円高のピークを今回、超えるようなことがあれば皆殺しになる、ということです。円安派は、当然、100円割れを想定してマーケットにビットするのですから、当然の帰結になります。これは経済指標の発表と関連をします。
なぜ、経済指標は前年同月比と前月比を発表するのかを考えれば当然の話です。この話は、いつかだいぶ長い話になりますが、しなければなりません。1年以上前の指標というのは考察の対象外ですから、当然の話になります。
新年度入りで株は高いという解説者は多いのですが、新年度に株が買われるケースは統一地方選挙がある年度に大幅に買われるのです。そのことを知っている人は少ないもので、その選挙がない年度は大きく売られるか、ないしは横ばいが通常です。
アベノミクスがスタートしてからの平均なんかで解説をするのです。実際の経済指標は、何が悪化の原因なのかを示す材料はないものですが、景況感指数は確実に悪化をしているということを認識するべきです。

トランプの発言

先日、トランプがアマゾンを批判する内容をコメントしました。アマゾンの株価に関してはずっと、去年から成長をしています。これも2年以上にわたってです。

これも永続性の問題であって、もうそろそろでしょう。報道ではやはり、ハイテク関連が上伸すると、強い、という報道になりますが、ハイテクに何が起こっているかを解説するニュースやサイトはありません。
トランプの発言というのは、G20に沿った批判であって、国境を超える企業が利益を儲けた当事国で税金を払わない、ということがG20で議題に上がっています。トランプはアマゾンと喧嘩をしない、という見方が大勢だと思いますが、そんなことはありません。
アメリカ国内でも日本国内でも儲けたお金は支払うことになるでしょう。日本ではアマゾンは消費税を払っていませんのに、高いですよね。消費税分はほかの業者よりも安くないといけないはずなのに、その分だけ、上乗せして儲けているだけです。こんなアンフェアな話はあるでしょうか?
おそらく国外の課税を端に、ハイテクバブルが崩壊する可能性もあります。すくなくても、崩壊ではなく、調整する可能性があると思います。
フェイスブックやテスラに悪いニュースが流れていますが、そもそも根幹を揺るがすようなものになると想像している人は少ないものです。課税の問題というのは、企業の根幹を揺るがします。
日本のアマゾンなどどれだけボロ儲けしているか、おわかりになると思います。消費税を払っていないうえに、消費税分は全部、消費者負担なのですから。そんな商売が永遠に続くわけがありません。
今のマーケットの流れで、長く続きすぎているものが要警戒でしょう。ドル円でいえば、いまだに円安になるという論がいっぱいあります。この論調がやはり円高にしかならないというセンチメントにならなければ円高は収まらないでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實
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