トランプがきのうは落ち着いてくるであろう、と書きましたが、やはり共産圏との戦いはやめないようです。きのうはロシアと中国が通貨安を招こうとしている、と言っています。
その上、ロシアへの制裁も近日中に発表と、なんともお忙しい方だな、と思います。その一方でFRBの副議長や理事などは指名をして議会の承認を待つのみです。
要するに国内に関しては文句を言わないようになり、対外、つまり、共産圏のロシア、中国には文句を言い続けるという姿勢を確保している、というように観察はできます。
基本的には共産圏との闘いで、支持率を上昇させようという魂胆なのだと思います。ともかく、あの手、この手を使い経済を浮揚させることに必死なのだろう、と考えています。
小売売上
昨日発表の小売売上は予想の0.4よりも好結果の0.6でした。
自動車を除く小売売上
自動車を除く小売売上は、横ばいになるのですから、自動車の売り上げもチェックしましょう。
アメリカのエコノミストも自動車販売が好調と言いますが、グラフでみるとちっともよくないわけです。去年の8月の数字が悪いのは何度も言うようにハリケーンの影響です。
10年間の車売り上げ
要するにここ最近は横ばいで、好調といっても、経済成長の割にはちっとも車が売れないということになります。車というのは、小売売上の中で単価が高いので重要な位置を占めます。
つまり車のセールスがよければ、小売売上も自動的に上昇をするのですから、小売売上は自動車のセールスの占有率が高いのです。
ところが長い目でみてみると、車の売り上げなど、最近はちっとも増えておらず、要は去年の8月に売り上げが激減したことの反動がきたのみなのです。小売売上が上昇をするということはGDPの7割を占有する個人消費を押し上げることいなりますが、でもこの小売売上、
エンパイアステート指数
これはNY連銀指数の工業部門の景況感指数になりますが、やはり楽観の極みというわけではありませんが、好調を示しています。予想よりもよかったのですけど。
そして、同日に発表された企業在庫
景気が好調であれば売れ行きがよくなって、在庫は減るのが当然になりますのに、在庫は横ばいというか、若干の上昇基調。誰がどう考えてもおかしいですよね。
景気がいいときに、企業の在庫が増えるのは。もちろん、増産によって、在庫を増やすこともありますが、消費者信頼感指数などが軒並み下がっているときに在庫を増やすのはおかしいですよね。つまり作り過ぎて余った在庫がある、と、考えるのが妥当になると思います。
要するに
きのうの経済指標というのは、強弱入り交ざっているので、マーケットの基調を判断しづらい状態にあるということになります。小売が上昇すれば、GDPに大きく寄与することは当然の話になりますが、それほどよくはないだろうと想像できます。
なぜなら、GDPは1-3月期の発表ですが小売は3月は持ち直しをしましたが、1-2月は悪いのですから平均でみれば、前期よりGDPは悪くなると予想されます。
この状況から推測すると、現状の景気はみなさん良いと感じているのでしょうが、将来の景況感というのは悪化すると感じているということになります。
その証拠は各種のPMIなどの景況感指数が悪化をしているということです。参考までにきのうのウェルズファーゴの住宅指数もやはり悪化をしている、ということです。
現在のマーケットは先取りをして値段をつけるほど好調ではなく、現状を判断してから動くような状態になっていると思います。相変わらず意味不明なマーケットと思います。
(この記事を書いた人:角野 實)