よくまぁ、マスコミは日米金利差がドル円相場に影響を与えると言い続けるのですが、呆れているのが本音です。なぜなら、その相関しないときの言い訳が今は、相関していないから、の一言で片づけてしまうからです。
なんでそんなことが平気で言えるのか不思議に思います。つまり、相関するときと相関しないときがあるということはその考え方が間違っている、と考えないものなのだろうか、と思うのです。
要するに、相関しない時期がある、ということを認識しているのであれば、なぜ、相関しないのか?を考えないのか、と私なら考える。為替の値動きというのは、今まで説明した通り、その一貫性のある見方が必ず存在するのであって、相関をしない時期があるのは、その考え方が間違っているのです。
それを放置するということは為替の考え方に対して間違っているからであり、そもそもテレビやマスコミに出てくる連中というのは、わからないことを放置するという悪癖があるのです。
その状態で今後の為替相場はこうなる、とか、こうしたほうがいいでしょう、とか偉そうに説教くさく言う。私は、こういう人種を昔やっていたのですが、今では、こういう人種は侮蔑の対象なのです。
わからないなら、わかるまで徹底的に追及するべきだし、この金利差のロジックが破綻をしているのであれば、その金利差という概念は顧客には紹介などしない、ということです。
教科書の経済学
経済学というのはロクな学問ではない、というのは私の根本の考え方になります。ただ、経済学が世の中に誕生をして100年以上の月日が経過をしていて、私が本格的に勉強をしたのはたった5~6年です。
私の知恵が100年の歴史に勝っているわけがなく、私の浅知恵など到底、及ばないというのが根本的な考えです。その経済学の教科書には債券と通貨の関係というのは債券価格=通貨価格となっています。つまり、債券の価格と通貨の価格はイコールの関係であり、逆のことはない、と言っているのです。
現在の状況は、アメリカ国債価格安、ドル高となっており、逆相関の関係ですから、非正常な状態になっているのです。つまり、テレビの解説者などは、逆相関の状態を正常と言い張っているという無知を晒しまくっている状態なのです。
なぜ、そんなことを言い張るかといえば、彼らが無知で不勉強だからです。要するに円安ババァのように、債券も買ったこともなく、そして、円安と唱えていればいつか、当たるとやっているような連中は、自分のロジックにその理論を当てはまるものを採用するのです。
今回の場合は、円安になってほしい、という単なる「願望」に金利が上がれば、円安になるという一見正しそうな理論に無理くりねじ込んでいるだけなのです。
だから、金利が上昇して円高になっているときには訳の分からない説明に終始し、結論は円安とか言い出して、大曲がりをするのです。彼らのやっていることは、相場よ、お願い、当たってくれ、とお願いして、大損する初心者トレーダーと何ら変わることがないのです。
曲がれば、お願い、幸いにして自分たちは曲がってもリスクがないので、お給料は十分に当たりますので、ロクなものじゃない、ということです。自分の為替の相場観が曲がりまくっていると認識している人がアメリカの債券を買うわけがないのです。
私が現時点で考える債券価格の考え方
年初から、アメリカ10年物国債の価格は約1パーセント下落をしています。それに対して金利の上昇は0.6パーセント程度です。つまり、金利の上昇が価格に追いついていないのですから、債券の価格は下がるのが当然のことです。
つまり価格の下落率と債券の金利上昇がイコールになったときに債券価格は止まると考えればいいのです。たとえば価格が、ここから0.4パーセント上昇して、金利が据え置きになってもいいですし、逆でもいいのです。
現実的にはそんなことは起こりませんけどね。では、今週に入ってから、なぜ、債券価格が下落をしていたのか、という命題にぶち当たるのですが、これは極めて明快です。長期債も短期債を含めて債券の入札額が増えているから下がったのです。
要するに債券の需給がルーズになったので、価格が下がり、金利が上昇しただけの話です。その場合、債券価格=ドル価値になりますのでドル安になります。ドル安ということは本来、円高、ドル安ですから、ドル円は円高に行かなくてはいけないのです。
でも、実際は円安に行った。簡単な話ですよ。日本の政府がアメリカ債券を買うために、円を売って、ドルを買ったからこういう状態になるのだろうと想像するのです。
この買いが永続的に続くわけがないのですので、どこかで調整するのでしょう。ですから、きのうはユーロドルに対してはドル安になり、ドル安になっても円安になるという非正常な状態が起こるのです。
人民元も米ドルに対して今秋から大幅なドル高です。おそらくこの債券の入札量が増えているので中国も米国債を買いに言っていると思います。
この一時的なドル買い状態というのは、おそらく連休中に解消されると思います。そして4/27の南北会談がポイントだ、とか言うアホがいっぱいいますが、彼女たちに聞きたい。南北会談がドル円相場に対してどんな数字の影響を与えるのか、ということです。
何も数字に対して影響は与えません。それをデータで分析していると言い張る円安ババァは大嘘付きなのです。データに出ない事象を今週のテーマとしているのは要するにデータで分析なんかしていない証拠です。
4/27が重要なのは当然なのです。なぜなら27日はアメリカGDPの発表だからです。これがドル円相場に大きな影響を与えるのです。まともな人間なら、本当にデータで分析をしているのならアメリカGDPが本当に大事なことだと言います。その当日、また出張なのですけどね。
(この記事を書いた人:角野 實)