曲がった、曲がったと私も喜んでいたのですが、ご迷惑をおかけしてすいません。
きのう、トルコが新安値を更新です。東京金融先物取引所にトルコ円が上場したときにさんざん、こんなものを買うのはおかしいと身もふたもないような言い方をしたのですが、4月くらいから「トルコ、買ってもいいかも?」と何度となく書いてまいりました。
さらに新安値を更新してしまい、あー曲がったと思っていました。すいません。
トルコなんか買えなかった理由
上記のチャートはトルコリラドルの「週間足」のチャートになります。このチャートで注意をすることはドル円のように、チャートが上にいくとリラ安ドル高になります。
ユーロドルのように、上にいくとユーロ高になるのとは真逆になることに注意をしなければいけません。トルコが金先に上場したのはもういつか、忘れましたが、ともかく上場して以来、トルコ安が進行をしており、この状態でスワップ金利狙いからトルコ円を買うなんて無謀なことは絶対にできないわけです。
それをラジオ日経のアナウンサーやトルコババァが買いなさい、買いなさい、と言っているのは犯罪に、私からみれば等しいわけです。2014年に1ドル2.2リラだったのが現在、1ドル4.2なのですから、2倍。トルコ円が上昇なんかするわけないじゃない、だから、彼女たちを詐欺師呼ばわりするのです。
もっとも、そんな知識がないのに、そんなことを言うほうがおかしいのです。いくらトルコ円を買っても円安でしか上昇せずに、ひたすら下がり続けるリラドル、この状態でトルコ円など買えるわけもなかったから、買うな、と言ったのです。
ファンダメンタルズ面から
きのうトルコのエルドリアン大統領が行動を起こしたようです。
ユーロ加盟などいろいろなニュースが伝わっていますが、この1か月間、トルコ経済の状況は一転しません。また、私の苦手な分野、民族問題などがさっぱり理解できませんので、イマイチ経済がどうなっているのかよくわからないのが実情です。
ただ、経済に関してはいろいろな指標を読み解くと今年が最悪のピークになるだろう、という見解は変わりません。以前、9月ころに転換をするだろうと言っていましたが、そこまでずれ込むかもしれません。最悪期が脱せなければ、今の大統領が失脚するだけです。その前に6月に総選挙があります。
いくら考えてもわからないならテクニカル面だけの判断
少し、最近は出来高に関して解説ができる人が少ないと感じますので、出来高からみると今回の吹き値は天井構成の一部になります。要するに天井近辺で出来高が膨らむというのが通常の教科書に書いてあることなのですが、本当は本当の天井圏では出来高は落ち込みます。
要するに「もう天井だろう、天井だ」とリラを売った連中が買い戻しをするので商いが膨らむのですが、今回の新高値はそれほどの大商いになっていません。要するに新規売りに参入してくる人が異常に少ないということです。
相場とお化けは寂しい方に出るとはよく言ったものですが、まさしく売り方が現在、少ない状況です。この理由は大統領選挙を控え、どうなるか見てみよう、という様子見姿勢の投資家が増えているということを意味すると思います。
この一筋の説明しかありませんが、もし、トルコ大統領が選挙で落選、失脚というような状態になれば、トルコの国民性などさっぱりわかりませんが、殺されてしまうかもしれません。
たとえば、エチオピアやリビアのように。今の大統領は現在の地位にとどまるほか、生きる道がないとすればこれらの債券、通貨、金利の問題に必死に取り組むことでしょう。
私には、独自のテクニカルを披露するつもりはここではありませんので、みなさんが考えるテクニカルを使えば、ほとんどのテクニカル指標は天井を示唆するものになると思います。
また、クロス円をみていればよくおわかりになると思いますが、ドル円の円安でしか上昇をしないようになっていると思います。クロス円をやっている方には今の円安がものすごいことにお気づきになっていることだと思います。
ただドルトルコはドルが安いときにも一緒になってトルコ安になっていますので、明らかにやりすぎです。今回、トルコ大統領がどれだけ必死になってトルコ経済を立てなおすかによって、このトルコリラの動きを左右することになるでしょう。
少なくても、ここから大統領選挙までトルコ安が一直線に進むということは考えにくい状況になります。そして、ドル円が円安であれば底を打つことになると思います。
慎重派の方はこの相場は底を打ってから買ってもいいでしょう。安いところを少量買って放置、利益が十分に乗ってから、買い乗せというのが常道でしょう。
また、金融市場が未発達な国ですので、値段は非常に荒れます。ドル円やユーロドルのようにぬるい動きにはならないと思いますので、通常の感覚でやってはいけません。
(この記事を書いた人:角野 實)