国債の先物というと一般の投資家にはかなりハードルが高いものという方は多いと思います。通貨先物やオプションなどもあるのですが、どれも、1口当たりの金額が1000万円単位であって、参入するのにはかなりの壁の高さになると思います。
今回は、そのアメリカ国債先物の値動きに関しての説明を行いたいと思います。
アメリカ国債
アメリカの国債にはそれぞれその年限によって名前が付けられています。今回はその年限の中でも一番長い年限である30年物国債、Tボンドに関してのお話しをしていきたいと思います。このTボンドの「T」はトレジャリーのTで宝ものということになります。
要するに財産になる債券という意味です。今では、アメリカ債券をもっているだけではステータスにはなりませんが、アメリカ債券を大量に長年にわたって保有するということはお金持ちになれるという意味があり、実際にその利回りが年10パーセントも15パーセントもあったのですから当然のことになります。
現在は30年物国債でも3.5パーセント程度ですから、昔ほど利回りはよくありませんが、以前よりは利回りがよくなっています。
Tボンドの先物
FXも以前にこれは「先物取引だよ」と言ったことがあります。FXはロールオーバー方式といって期限のない取引になるのです。
通常の先物取引は、納会や新甫発会などがあり、納会で、その玉を現物の受け渡し以外はすべて手仕舞いを行わないといけないのですが、FXにはその納会がありません。つまり、先物取引というのは、それだけでも金融デリバティブ商品になるのですが、FXはデリバティブ(派生商品)のさらに派生をした商品なのです。
ですから、FXの登場というのは2000年前後になるのです。先物取引は江戸時代から存在をします。Tボンドもその例にもれず、現物の受け渡しをする納会や新たな年限の取引限月が発会する新甫発会があります。その新甫発会というのは、3.6.9.12月になります。
そして納会はその1営業日前になります。新甫は月初の発会になりますので、だいたい1日に発会をします。ですから納会は月末の最終営業日になることがほとんどになります。詳細は取引所から発表されますので、知りたい方はご自分でお調べになるとよいでしょう。
Tボンドのアノマリー
なぜ、FXのサイトなのに、債券の話なのか、と疑問に思う方も多いと思います。私の最近の説明によって、債券とドル円の関係がかなり密接であるということもある程度、読者のみなさまは理解されていると思います。
中には「金利差、金利差」とシャウトし円安になるババァも専門家と称するど素人もいますけどね。こいつは相も変わらずきょうもバカで無知なコメントを発していましたけどね。〇〇につける薬はない、ということです。
最近、ドル高になる根拠として、債券の需給に関して、何度も説明をしていると思います。この需給というのは、アメリカ財務省はその債券の発行量を1-3月に比べ4-6月期は増やすと明言し、実際に発行量を増やしています。
しかし、実際に供給も増えたのですが、需要も増えているのでその価格は下がりません。金利はコンセンサスで上伸すると考えられていますが、国債の価格が下がらないので金利は逆に低下をしています。
このTボンドのトレーダーも勘違いをしており、先のダイモンCEOは、今後、金利が上昇すると発言をしたように、供給増から、Tボンドトレーダーのほとんどが売りから入っています。
そして5月が納会で、そのTボンドは月末にかけて急騰をしました。これ、なぜ、だと思いますか?内部要因がわかっている方にはおわかりのことになると思いますが、5月の納会で空売り筋、つまり供給が増えるので先物を売っていた連中が空売りを手仕舞いしたことで起こっているのです。
そして6月の上旬からまたTボンドの空売りをまた始めているのです。そして8月の末に踏み上げをさせられるのです。となると8月末の金利が急低下するのは想定済みのことになります。
つまり、私は6月が円安の月といい、7月は金利が多少あがると読んでいます。ですから、7月にドル円相場は横ばいか、少し円高傾向になり、8月にふたたび大きな円安になると言いたいだけです。
紙面の関係で、この説明ではわからない方が多数だと思いますので、何度か、いつもの通り、何度も説明していきます。さて、目先、円安ババァは7/6までは円高、と意味不明、わけのわかんない、論理破綻のロジックによって理解できない、ことを言いました。私が言いたいことはおわかりになりますね。
(この記事を書いた人:角野 實)