読み込み中...米中貿易戦争が発動され、残りの2000億ドルも発動されることも不可避になることでしょう。この背景は、アメリカの経常収支の赤に由来しているので当然、と思っていいでしょう。
しかし、これが回避されるとか言っちゃっている人たちって、何もこの根幹を理解していないと思います。
安全保障の問題である米中貿易戦争
この貿易戦争が勃発する前からトランプさんは、これは「安全保障」の問題であると繰り返し言っていたこ
とを忘れている人がほとんどです。この安全保障の問題というのは、アメリカの債券の大部分を中国と日本がもっていることに問題があるのです。
要は、アメリカ債券保有残高が多いところを集中的に攻撃していくということなのです。日本は同盟国なので、まだ「まし」というレベルであって、やはり、アメリカにとっいぇ脅威であることは変わりがありません。
この「安全保障」の問題ということは、債券保有者が外国人なのが問題なのです。つまり、アメリカ人が一生懸命、働いて納税をする、そのお金の使いみちは、本来、アメリカ人のために使われなくてはいけないのですが、中国人のために使われるから問題なのです。
なぜなら、国債というのはアメリカの借金であって、その貸主が外国人ですから、そのアメリカ人の労働成果を外国人に支払うことになるからです。
その返済してもらったお金で日本や中国はアメリカの資産などを買うから、結局、アメリカは最終的に中国人のために働くことに将来はなることを警戒しているのです。このまま財政赤字が拡大すれば、アメリカが中国のものになってしまうのは誰でもわかる話です。だから、安全保障の問題なのです。
結局、中国によるアメリカへの直接投資なんて、当然、いつかは履行されますし、それを阻止する理由もないと思います。そういうのに反対するのは、利害関係者のみであって、アメリカの国益を考えるのであれば当然の措置です。
日銀買いの怪
今まで日銀による、日経平均のETF買いが途絶えました。これは、日経平均が前日比マイナスだった場合、当然のごとく、日銀が買って、相場を押し上げていたのですが、先週、前日比、マイナスであっても、日銀の買いが出てこなかったことが波紋を呼んでいます。
まず、このことに対しての回答は、今後は円安になるので、買う必要がない、と以前に言明をしましたが、少し、考えが変わって、中国にアメリカ債を持たせるよりも、日本に国債買いをしてもらったほうが安心ですから、日本政府、日本銀行は中国が債券を売り出した場合、その補完をしてもらう約束をしているのではないか？と思うのです。
日本政府としても、円安にしてくれるのであれば、その約束を履行しやすいことになるでしょう。つまり、ドナルドシンゾーラインは運命共同体に完全になっているとも言えます。
シンゾーが裏切れば、中国に対する制裁などできる訳がありません。一方で人民元安を中国が仕掛けることによって、新興国の通貨がそれほど上昇しなくなっています。
ドル高によって、新興国経済が下振れする心配をしている方が過半になりますが、通貨の勢力図の全く風景が変わっていることを認識すべきです。この辺は、また、お話しをしますが、かなり変わってきています。
雇用統計がよい？
「雇用統計が良い？」というバカな話をする専門家がたくさんいらっしゃいます。その理由は4月、5月の新規雇用人数が上方修正されたことが理由らしいのです。何度も言うように、今のアメリカは完全雇用の状態にあり、新規雇用者数なんて関係ないのです。
もちろん、一桁台の伸び、6月のシーズンに入ってその数字であれば大問題ですが、通常通りの数字です。問題は賃金の伸びであって、その夏休みの需要期を迎えて、前年比変わらずというのは大問題なのです。
要するに、人手不足の中、賃金が上昇しないということがあり得ないという認識がアナリストの中ではきちんと考えている人にとっては常識なのに、それを問題とする人がほとんどいない、ということです。
この賃金上昇が思ったよりしない理由は3つ考えられ、
①ドル高
②企業は値上げができずに収益が伸びない
③思うような人材が確保できないということが考えられます。
私個人としては、ドル高の影響としか考えておらず、一部にAIの所為だという意見がありますが、その影響は日本国内でもその影響は軽微という結果が出ていますので、そうとは考えられないと思います。
要は、何が言いたいかといえば、雇用統計の結果は悪い、だからドルが売られて当たり前ということです。しかし、長期的にはドル高でしょうね。
（この記事を書いた人：角野 實）
