おはようございます。連日の猛暑でみなさんバテバテだと思いますが、ご自愛ください。
私の心配というのは今の暑さにみなさん目が行きがちになりますが、平均気温という観点からみると、どこかで寒い夏になるのではないか、もしくは冬がものすごく寒くなるのではないか、ということばかり考えています。
人間というのは、目先に起こったことに興味、関心がある動物ですので、目先の暑さにみなさん関心がいきがちになります。マーケットに携わるみなさんも、目先の円安に目がいきがちになると思いますが、果たしてどうでしょうか?
私は、9月以降にもう、興味が行っており、きのうの円安、先週の円安も、もう、織り込み済みです。ついでにいえば、来週も円安が相当進むとみています。
アメリカ鉱工業生産
アメリカの鉱工業生産が発表されました。
きのうと同じことを言いますが、2015年は大幅なドル高の年になります。その期間の鉱工業生産は非常に落ち込んでいるのはわかると思います。
現在、アメリカの経済は、減税、税金還付、消費好調などによって好調そのものになりますが、この状態を、きのうのエンパイアステート指数の数字でも解説しました。
このエンパイアステート指数と鉱工業生産の数字の違いは、前者がアンケート調査で、後者は実数での統計であるということです。マークイットのコンポジットPMIなどは、実数と違うことがよくありますが、今回の場合は、ほぼ同じような形になっていることが注目です。
鉱工業生産は、経済指標の中でも、先行指標の王さまという存在なのですが、その先行指数に耐久財受注や設備投資がありますのでその影が薄いように私も感じます。
しかし、実数での発表になりますので、その正確性は確かだ、景況感調査より、ということはおぼえておいてほしいと思います。今回のドル高円安相場は4月からスタートをしており、これに企業、卸売物価に反映されるのが3か月後、つまり7月くらいの数字からになります。
鉱工業生産は、出荷よりも生産のほうが早いのですから、6月くらいの数字から反映をすることが考えられます。今回の鉱工業生産指数は、6月の数字になりますが、前年同月比で3.8パーセントのプラスになります。前月比でもプラス0.6ですので、ドル高の影響は受けていないと判断をとりあえずすることができるでしょう。
しかし、9月から本当に株価急落の円高がくるとすれば、この数字が低下をしたときは要注意になります。もちろん、今回の好調さは減税や消費の好調に起因していて、ドル高という材料を打ち消す可能性もありますので、それはそれで注意をしたほうがいいと思います。
鉱工業生産も大事なことになりますが、今後は失業保険申請者数、そして鉱工業生産指数の先行である耐久財受注、設備投資には注意が必要だ、ということが言いたいだけの話です。ともかく鉱工業生産は、予想以上によかった、というのが感想になります。
では9月に急落するための条件は?
これは、前回も書きましたが、昔から急騰のあとに急落あり、というように、急騰しなければ急落はないだけです。つまり、今は、株もドルも買っていていいのですが、いつ売り玉を仕込むかに私は注目をしており、今月中はその心配はないと思いますけど、来月は上下動してくるとにらんでいます。
冒頭でも記しましたように、来週くらいまでは大きな押し目もなく、円安になるのではないかな、と思います。他の通貨はこれだけ強烈なドル高になるのですが、それ以上に円が弱いのですから、クロス円は上昇ということになります。
つまり、円安によってマーケットが上昇しますよ、ということはずっと前から言っています。この円安によって日本の企業は儲かっているでしょうし、アメリカはもっと儲かっているでしょうね。最初から貿易戦争なんか関係ない、と私は言っています。
(この記事を書いた人:角野 實)