おはようございます。今朝、起きて、びっくりというのが本心であって、何があったのかな、と思い調べるとトランプさんがまた「利上げをするな、ドル高は貿易に不利」とテレビインタビューで発言をしたらしいです。
それを大統領報道官がメールにて「以前から言っていたことを繰り返し言っただけ」との釈明。この一連のニュースをみているとさっぱり何を意図しているのか、意味不明。
今朝、モーサテで言っていたように米ロ首脳会談が不調だったから目先を変えるために発言したというのが一番、しっくりとする説明のように思います。
人民元相場
今回の円安というのは人民元安からきているというのは、以前、お話しをしました。今回の円安に行くとにらんだ理由は人民元安からでした。
月末から、人民元安が進行したことからドル高が進行、連れて円安も進行したというのが今回の経緯になります。この人民元安が進行をすると最終的に円高になる、なんてなんちゃって専門家連中が騒いでいたのですが、そういうセオリーの相場ではないことは確かなのに、時代の変化を読み取れないのでしょう。
何度もご説明をしているように、アメリカの財政赤字が膨らむのであれば本来はドル安相場にならなくてはいけないのがセオリーなのですが、現状、ドル高になっています。
つまり経済やマーケットの原理原則に反した相場になっているのですから、このドル高相場というのは完全に「政策相場」であると判断ができます。
トランプさんは、貿易相手国に報復関税を課すことの裏に、20パーセント程度のドル高を容認する、というディールなのですから、ドル高は自ら意図したことに文句を言っているのです。
おまけに自分で膨らました財政赤字なのに、金利を上げるな、とか、言っていることが支離滅裂です。要するに米ロ会談の失敗をもみ消すために言っているだけだとは思います。
そう考えると、すべての説明がつきます。個人的な相場観は、まだ、人民元安は進行すると思っていますので、ここら辺で頭とか騒いでいた世間のコンセンサスとは個人的には全く賛同できません。
事実、上抜けて人民元安が進行しているのですから、これにつられて円安になるとにらんでいたのですが、目論見が外れたようです。きのうの113円から上が重く、この状態でトランプさんが冒頭のような発言をしたら、こうなることは当然のことになります。
今後の展開
まず、大幅な円安が進行をするときというのは大規模であろうと、小規模であろうが、アメリカ国債の入札があるときに大幅な円安が進行をすることが定例になります。
では、きのうの人民元安は何からきたのか、と言われるとよくわかりません。しかし、月末にかけて大規模なアメリカ国債の入札がありますので、それほど円高警戒はしておりません。
むしろ、今朝の大幅な調整が良い押し目となって、おそらく月末にかけて円安になるのではないか、と思っています。つまり今回の円高局面というのは絶好の押し目であるとは判断しています。
しかし、個人的には、こんな高い値位置を買う気が起きないというのが本音です。一方で株式市場は、これだけの人民元安が進行していますので一連の中国関連株はみな、続伸していくことでしょう。
つまり、日本時間のさえない動きが本日はけっこう、上に行くのではないのかな、と思っています。しかし、目先の私の外し具合をみると、書いている本人も、自信をなくしています。
ともかく、先日の小売売上を受けて、アメリカ絶好調説を唱える方が非常に多くなっていますが、その裏で失業保険申請者数は過去最低を記録しましたが、4週平均は横ばいであり、この状態になると株の独歩高が始まり、急騰しますが、大きな調整の前触れだと思います。
ただ、この調整というのは、まだ先の話で、早くて、8月の下旬で、9月くらいになるのではないのかな、とは考えています。
ともかくあまりにも株の急騰や円が安くなったりすると、勘違いするのが人間の特性ですので、いまから、きちんとシナリオを描いておこうと思うだけです。アメリカのGDP前期比5パーセント増という話まで出てきましたが、それほど経済が好調になれば、後に調整の押し目が入って当然の話です。
(この記事を書いた人:角野 實)