読み込み中...おはようございます。きのう出張から帰ってきました。それなりに円高になった理由をかんがえていたのですが、やはり意味不明。もちろん、テクニカルではいくらでも説明がつくのですが、ファンダメンタルズでは全く不可解というのが現時点での結論になります。
もちろん、いつものようにこの考え方が変わるかどうか、わかりませんが、とりあえず、単なる調整なのであろう、と思います。
トランプさんツイッター
トランプ大統領が、またもや、素晴らしい数字みたいなことをツイッターに書いたそうです。これは、GDPが4.8パーセントになる見込みであることを周囲に言っているそうです。
この数字はほぼ間違いはないと思いますが、この数字であれば4-6月にドル高にも関わらず、この成長になればアメリカ経済に死角はないと言っても過言ではないでしょう。
一方で、アメリカ農家に向けて、大豆価格が20パーセント下落をしたことからその補助金を支給することを決定したようです。
現在、人民元が9パーセント程度下落をしており、こうなると、報復関税20パーセントの意味が全くなくなり、アメリカ農家に20パーセント補助金を支給するということは意味がないのに、いまさら、何をするのだろうか？と疑問に思います。
もちろん、アメリカ農家のセンチメントは低下をしており、その輸出に弾みをつけるための補助金というと、説明がつくのですが、あまりの露骨な選挙対策に少し疑問を感じます。
こういう形になるとアメリカ農家のトランプ支持は続くことになります。しかし、製造業の輸出はどうなるのか、ということになります。
マークイット製造業PMI
これだけのドル高になると、景気の先行指標であるPMIは、出荷価格の上昇から停滞を懸念します。貿易摩擦、貿易摩擦と正直、うるさい、としか思いません。
なぜなら、報復関税よりも価格の上昇は、長期間に及ぶ販売低迷につながるからになるからです。貿易摩擦などはどこかの地点で解決をしますが、出荷コストの上昇はドル高が解消をするまでは、販売不振が止まるわけがないからです。
これがきのう発表された「マークイット工業PMI」になります。2015-16年はドル高によって低迷したのがよくわかると思いますが、2018年は好調そのものです。
かんがえてみれば、2015年はチャイナショックであり、これは人民元からのキャピタルフライトから示現したドル高になります。つまり中国が不景気によって、人民元安からの資金逃避が起こったのですから、世界の景気が悪くて当然のことになります。
今回の場合は、アメリカは好調、中国も好調なのですから工業部門の指数やPMIなどが悪くなるはずもなく、その結果、ドル高、人民元安がさらに進行をしているのではないか、と思うのです。
マークイットPMIの使い方
上記では、マークイット工業のPMIを使ったのですが、今回は総合指数を使って説明をします。
上記はマークイット社の総合PMIになります。日米欧中の、現在、発表されている指数になりますが、「アメリカが55」「ユーロが54」「中国が53」「日本は52」になります。
上から順に並べているのですが、このように日本が最下位になります。この場合、世界でテロなどの大きな事件が起こった場合、リスク回避にマーケットが陥ると最下位の日本が円高になると言いたいのです。
また、中国がの最近の人民元安の進行が早いので、中国人民元安が自由主義国家であるのであれば人民元高が進行する可能性もありますが、ストップ制限のある中国などは、誰もリスク回避通貨として扱わなくなり、円高への一極集中になります。
つまりドル買いのヘッジに対して円高が一方的に進行する可能性があるということです。この数字が、日本が一番高い場合にはリスク回避の円高はあまり進行することなく、ほかの数字の弱い国家がリスク回避の通貨高が進行することになります。
これだけ株価が好調になってくると、標的にされるのはPMIが一番低い日本円であることを忘れないようにお願いします。今回の円高にリスク回避要因があったのか、と言われれば全くなく、まったく不可解です。
（この記事を書いた人：角野 實）
