おはようございます。出張と多忙が続き、更新がなかったことをお詫びします。
もう、先週の話で、かなり古い話になるような気もしますが「雇用統計」については、各種の報道や専門家の言う通り、かなり好調であろうな、と私も思います。しかし「その反応で本当に良いのであろうか?」と思うことも仕切りになります。
雇用統計の数字
新規雇用人数は予想よりは悪かったものの、先月と先々月の数字を修正しており、それほど悪い数字とは思えません。ただし、これは新規雇用といっても、転職組の数字であり、リーマン直後の収入ゼロの失業者がお給料を得たときと経済効果は「月とスッポン」程違うことになります。
ただ、年間の新規雇用人数は240万人弱のペースで進行をしており、好景気の境目と言われる月間20万人雇用は達成しているということになります。個人的にはあまり関係ないと思いますけどね。
そして、もう一般的になりましが、平均時給は、前月比0.3、前年同月比2.7ということになります。PCEやPPIの上昇幅を凌駕していますので、消費者サイドの7月は好調になります。
今後は、現在、企業サイドが好調になっていますので、消費者が好調循環の中の不調になることも考えておかなければなりません。上手に循環をしていると思います。
失業保険申請者数
去年の9月、ハリケーン襲来によって失業保険申請者数が大幅に上昇をしましたが、その後、経済が回復したにも関わらず、失業保険申請者数は横ばいの状態になっています。
今年の場合、年初から順調に失業保険申請者数は減ってきてきましたが、この数週間からその減り方のペースが減っています。
この去年の秋に失業保険申請者が横ばいになったことと、2月の株価急落に何の相関関係があるかは、説明するのは難しいのですが、おそらく、何の相関もない、ということはないと思います。
要するに雇用統計は好調だけど、どこかに不調な部門をないかと探しまくっているだけの話です、重箱の隅をつつくようなことはあまりしたくないのですが。
マークイット総合PMI
アメリカの第1週にISM指数が発表され、その数字は軟化をしています。これに付随するPMIを見ていきましょう。
アメリカ55.7
ユーロ54.3
日本51.8
「アメリカ55.7>ユーロ54.3>日本51.8」となっており、ドル高円安の状況は変わりそうもありません。
ただし、トランプさんが、早いドル高のペースに警鐘を鳴らしていますので、円高になるであろう、と思います。このドル円の日足の形は円安方向には相当重いと思います。
また、もっとも気をつけることは、日米欧の三か国が先月から引き続き数字が鈍化をしていることです。では、その数字が下がっていることに対して、具体的な対策があるのか、ということです。
私が考えつく限り、その政策や計画がないような状態です。つまり明るい展望のものがない、ということです。その場合、何を材料に買っていくのですか?ということです。
全体的に
アメリカの経済は好調そのものという判断は誰もが一致する見解です。ただし、現在、起こっている貿易摩擦における経済の停滞の疑念が払拭されません。
ただ、アメリカにおける貿易で稼ぐ割合はわずか15パーセント程度の話であって、全体を押し下げる効果があるかは疑問になります。このように付和雷同でアメリカ経済を、みんながみんなよいなんていう状態になると、私はへそ曲がりなので、逆に警戒をするのです。
なぜなら世間の意見が90パーセント以上一致すると、たいてい相場は逆に行くものです。これを内部要因で解説をすると買い方が90パーセントで、売り方が10パーセントという状態になります。
この状態は新規買いが90パーセントで、売り方は買い方の手じまいということになります。本来なら買い方と売り方の比率は50:50になりますが、手仕舞い売りが売り方のほとんどを占めた場合には、値段が上昇しなかったら、早いですよ、ということです。
要するに買い方が全員、損切りするような状態になりますので、投げも早くなる、それは急落を意味するということです。今回の場合は、IT株になりそうですね、
このような状態のものは。ほかは、みな、本当に上がるかな、どうかな、とおっかなびっくり買っているような感じがしますが、IT株はイケイケドンドンということになります。
しかしFBの情報漏洩問題、アマゾンの課税回避問題など問題を抱えていることも事実です。特にアマゾンの課税回避問題はG7、G20の討議課題になっていることを忘れてはなりません。
(この記事を書いた人:角野 實)