おはようございます。アメリカ株が安い外電で入ってきて、うーん、と考え込んでしまいます。
イーロンマスクに召喚状とか騒いでいますが、そもそも、短期的な評価に嫌気がさしていたマスク氏が非公開に走るという選択肢が見えないアナリストがアホなだけです。
私からみてもテスラのマーケット評価というのはバカバカしく感じており、マスク氏本人はもっとそう思っていたと思います。でも、あの会社、黒字転換にしたことがなくて、あの株価がそもそも高すぎるだけなのです。彼は天才らしいですけど、ホリエモンと似たところがありますね。法律軽視。
少し、勘違いしていると思います。まともな会社ではないから、トヨタ自動車は出資を引っ込めたのでしょ。日本ではまともな会社のほうですよ、トヨタは。日産よりはまし、という意味においては。
基本に立ち返る
たとえば、ドル円もあっち行ったり、こっち行ったり、ということが続いていますが、基本は、本来、ドル安になるものがトランプさんのドル高政策によって、ドル高になってしまった、ということを考えればかんたんにわかるようになります。
ファンダメンタルズからいえば、財政赤字が増えれば、ドル安になるのですがトランプさんがドルは高すぎると言った時点で「方向性はドル安」なのです。
なぜなら、ドルはトランプさんがドル相場をコントロールしているのですから(笑)。当たり前のことでしょう。ただ、念頭に置かなければいけないのは、このコントロールに失敗したときです。
つまり、ドル高にしようと思っても、マーケットが言うことを聞かないケース。それは何を意味するといえば、中国の米国債売却に直結するということを意味しており、今回、ドル高の調整を意図したトランプさんの言うことをマーケットが言うことを聞かなかったら、地獄絵図になるでしょうね。
要は、目先の流れは円高で、中期は円安というように考え、そして、根本は財政赤字の拡大からのドル安ということを念頭にポジションを組むということです。このことを意識するとポジションの組み方が変わってきますので、試してみると良いと思います。
そこから派生すること
たとえば、本日はフィラデルフィアになりますが、これは何度も説明しているようにメトロポリタンと並んで8月のISMの先行指数です。7月はISMも下がり、マークイットPMIも下がっています。気づいている人は気づいていると思いますが、これ、2月にアメリカ株価が急落したときと同じ兆候です。
2月の株価急落は、説明するのも面倒くさいのですが、まず、トランプさんがドル安からドル高への転換を発表したということを忘れちゃいけません。
予算教書とダボス会議でドル高転換を発言したのです。そしてアホメディアはムニューシン長官がドル安容認を発言したと報道したことをきっかけに急落したのです。
これが株価急落の発生の原因だと思います。ムニューシンさんは、就任前からアメリカの国益はドル高にあると発言し続けているのに、メディアはドル安容認なんて、とんでもない報道をして世界を混乱させたのです。
要するに2月の急落のポイントは、
① ドル高への転換
② 各種、景況感指数の低下(ISM,PMI)
③ メディアの間違った報道そしてここでは触れていませんが、急落直前に株価は急騰をしているのです。
④ 株価の急騰
ということがだいたい2月の要因になります。
今回の場合は、
① トランプさんはまたもや通貨政策の変更を言っています。
② ISM、PMI低下になるでしょう。
③ トルコを中心に出鱈目な報道が相次いでいます。
④ これだけは急騰というレベルではありません。
つまり、2月の急落の形とほぼ相似のような材料が出そろっており、違うのは株価の急騰だけなのです。これだけの材料をみれば、株価の急落は警戒すべきレベルに達している判断することができるでしょう。私自身はまだ、確実に起こるとは思っていません。
ただ、日本株に関しては、去年よりはよくならないのが当然と考えており、ヨーロッパは景気立ち直り期に入っているけど、立ち上がりほど脆弱なものはありません。
中国も各種指標の悪化です。2015年のチャイナショックは、中国景気不振からきていますよね。
トルコへの事実誤認の数々
まったくもって「にわか」トルコ知識人が増え、出鱈目ばかりが跳梁跋扈しています。私が一番申し上げたいのはトルコとアメリカの喧嘩で圧倒的に不利なのはアメリカです。
なぜなら、アメリカは単にわがままを言っているだけで、反論できるものは何一つない。一方でトルコは国際社会が認める主張をしており、トルコはアメリカに譲歩するものは何もないのが事実です。
世間の声はアメリカ圧倒的有利とか言っていますが、アメリカはお金も出せない、武力行使もできない状態です。トランプさんがツイッターで負け犬の遠吠えをするほかないのです。
だから、牧師解放をする、とか偉そうに言っている連中は何もわかっていないのです。常識で考えれば、よほどアメリカはいい条件を出さなければ解放してくれないのにアメリカ有利というのは大間違いです。
トランプさんはお金も出せないし、条件交渉もできない状態、ということを世間のほとんどが認識していません。もう一つ書くのであれば、米中の貿易戦争はアメリカの勝ちとか言っている連中が多いのですが、今は表面化しませんがアメリカの一人負けが数年後に顕在化します。間違いなく。
トランプさんは目先の選挙に勝利するために、目先の利益を取り、数年後の衰退を選択しているのにすぎません。そのことをトランプさんは間違いなく認識しているはずであって、それをどうやって対策するのか見ものです。
今の状況がさっぱりわからない方は買いを中心に考えるからわからなくなるだけなのです。売り、買い両方の可能性をみて相場観を組み立てるとすっきりします。
(この記事を書いた人:角野 實)