おはようございます。暑い夏も終了し、残すは残暑のみ、という形になりましたが、マーケットは能天気な雰囲気が蔓延をしています。
個人的にはここから株価が大きく上昇すれば、大きな調整があるのではないか、と8月から言い続けましたが、今回はその話を中心にしていきます。
日本経済の現状
6月に大阪府を中心とした地震、7月に中国・四国地方を中心とした豪雨災害は記憶に新しいことです。日本人の特徴としては、こういった大規模な災害が起こると一気に消費を控え、そして翌月に大幅に消費が回復する傾向があります。
つまり、8月は飲食店を中心に一気に全国的に売り上げが増えています。加えて猛暑になりますので、能天気な原因はこれだろうな、と思う次第です。では、現状の日本経済はどうか、といえば。
今年の4月にこのPMIをみると最高値になっています。1-3月が円高だったことからこの4月に上昇するのはなんともいえませんが、やはり今年の冬は寒かったことから消費が回復したことが一番でしょう。
この時期のGDPは2四半期ぶりのプラス成長になり、5-6月の不振を4月だけで支えている構図です。このPMIの8月は、前記のように災害によって回復基調になっていますので上振れの可能性が高いと思います。
上記は消費者サイドの信頼感指数で、企業の景況感指数とは大きな違いになっています。具体的には工業製品の景況感指数が50を超えているのに対して、こちらの消費者信頼感指数は50を下回って、40台です。
この消費者のマインドが回復することなく、景気が良い、そして、株価が新値を更新するというのは個人的にはあり得ないと思います。株価が25000円をつけた2017/12-18/1月が消費者も、工業生産も強いのが確認できると思います。こういうときに株価は高値をつけるのです。
個人的には個人消費がグダグダな状況で株価は高値など追わないと思っています。むしろ、この状況で、高いのが不思議な状況だと思っています。
要するに景気は下振れしているのですから現在の日本経済はバブルだと思います。また、自民党の総裁選挙がいつあるのか、わかりませんが選挙時に株価は下がらない傾向がありますが、今回の総裁選挙でも株価浮上になるのか、よくわかりません。
また、災害のあとの8月は良くなっていると思いますが、9月は再び逆戻りになっていると思います。つまり好悪、両方の材料があり、なんとも言えませんが、長い目でみれば、この消費者サイドの不景気感というのはまだまだ続くと思いますので、弱気せざるを得ません。
総裁選、当選をしたあと、安倍さんがそろそろ企業優遇をやめて、消費者優先にしなければこの不景気感は解消しませんが、企業優先をやめるとは思えません。
現時点で、日経平均は高すぎるのは当然の分析結果になりますが、バカみたいに高いというような状態ではありませんので、売られてもわずかだと思います。もっと、買い付いてくれれば売る気になるのですが、現状では信用売りをかけるような場面ではないと思います。
アメリカの場合
アメリカの場合もISMの工業部門で分析をしてみましょう。
このグラフをみるとトランプ政権になってから、景気の冷え込みがないのに、トランプさんの支持率は上昇するどころか、下落しています。普通は、景気が上昇していけば、大統領の支持率は上昇するのですが、低下するのみ(笑)。
不人気ぶりを物語っています。今月の予想は57前後になりますが、注目は株価が急落した2月になります。1月の下旬から株価は下がり始めていますので、2月の上旬に発表されるISMは、1月の数字です。
この1月の数字はトランプ政権が誕生してから、景況感は上向いているのに、10月からはずっとさえない数字になっています。つまり、そんなに景気はよくなっていないのに、株価だけが上昇し、その結果、1月に10パーセント近く上昇したところでバブルが崩壊しただけの話になります。
このように、急落というのは株価が急騰したあとに、急落するものであって、その前提条件はそれほど景気がよくないとき、と定義づけをすることができると思います。
となると、今回も、6月にピークを景気がつけていますから、株価が急騰していれば急落の可能性もありますが、大した上昇をしていませんので下落をしても大したことがないかな、と考えています。
今後の展開
ともかくISMや、PMIの発表をみて、おそらく多少は落ちると思っていますが、その後、上昇するのではないか、と思っています。要するに、単なる調整であって、驚くほどの急落はあり得ないかな、と思っています。
ただ、中国の景気悪化、イタリア債の格下げなど景気の良い話なんてないのに、なぜ、株が高い、と連呼するのか不思議でなりません。
自民党の総裁選というのは露骨なことをやらないと思いますが、安倍さんが立候補表明を遅らせたのはPKOと何か、関係があるのかな、と思ったりします。
(この記事を書いた人:角野 實)