おはようございます。トランプ大統領がWSJに自ら電話をし、日本に対して貿易問題を許さないみたいなことを言ったらしいです。
この電話をかけるほどヒマなのか、という疑問に関しては非常にかんたんな回答で、トランプさんはこういった電話の常習者です。ただし、この電話は自分ではないようなフリをして新聞社などのメディアに電話をかけるのですが、今回は本人だと名乗ったようです。
おそらくいつも使う偽名がもう、新聞社に露見をしていたので、本人確認をしたら認めただけの話でしょう。よくメディアでアメリカ政府高官が話すことによると、というフレーズがある場合には、それはトランプさんのことです。
民間人のときから、このようなメディア操縦をやっていますので、たいていの場合は、いつも使う偽名が同じなのでメディアも本人と承知して報道をしているだけの話でしょう。そういうメディア操作に長けた人であるということは非常に大事なことです。
雇用統計について
ほぼ、予想通りの数字になり、とくに意外な数字はありませんでした。個人的には予想外に悪い数字がでれば、株価が売られたのに、と思います。
注目すべきことは、先月の数字が下方修正されたことになります。この先月分などの修正が入る場合には、その雇用に対して賃金が支払われていないことを意味します。
すなわち、新規に雇用をしたのに、その賃金が支払われなかった場合マイナスでカウントをされ、そしてお給料の遅配であった場合にはプラスでカウントされるということです。
通常、最近の雇用統計ではプラスカウントで修正される場合がほとんどであり、マイナスというのはここ最近、みたことがないな、と思うのです。このことはわずか1万人程度のことなのですが、不払いが発生をしているということは看過できないかな、と思ったりもします。
つまり、労働需要に対して、それに見合う供給がないことが近々、問題になっていますが、かんたんに言えば、スキル不足によってこの賃金が支払われなかったケースがあったのであろう、と思います。
求職者のスキルが申告したものにそぐわないことなど世界のどこでもあると思いますが、しかしそれが1万人近くあるということは少疑問におもいます。
それだけ、企業が人材の確保難になっている可能性がある、ということでもあります。景気は良いのでしょうが、やはりそれに対しての人材供給不足というのは、深刻な問題になると思います。
失業率や給料ベースなどは、いつも通りに数字であって、特に問題はない、と言えると思います。しかし、これだけの完全雇用が続き、ひとたび、物価の上昇が始まれば、とんでもないことになるのは事実であり、失業保険申請者数などの推移をみていると、いつ株価のコレクションが起こっても不思議ではない状態であると思います。
今回の雇用統計で、金融マーケットに起こったことは、今月のFOMCで利上げをほぼ確信したような動きになり、金利の上昇からドル高になっただけの話です。
ただし、株価に関して、ダウは大したことがありませんが、ナスダックなどみると、完全に境目にきているな、という印象であり、金利上昇は株価にネガティブに作用するとはいえ、ここまで売る根拠はないと思います。つまり株価に関しては引き続く、監視が必要だと思います。
日経平均は上がるわけがない
北海道の地震によって、日経平均が下降しているとみている人がほとんどだとおもいますが、私の見解は全く違い、日経平均は下がるべくして下がっているということです。
この日経平均、上昇の懸念というのは自民党の総裁選という選挙があったのですが、今のところ目立ったPKOなどなく、変な手口は出てこないであろうというのが私の見解になります。
そもそも、日経平均は下がるべくして下がったものであり、決して、北海道の地震が根拠ではないというものです。もともと下げ地合いであったのに対して、地震という弱い材料が下げを加速させているだけの話です。つまり地震は、下げを加速させただけの話になります。
北海道経済に対しては、被災された方々には一日も早い生活の取り戻しを望み、そしてお見舞いを申し上げます。ただ、おそらく日本経済に与える影響は軽微という見方になります。
しかし、電力の供給問題が長引けばこれは非常なマイナス要因になります。これには注意をしたいと思います。そしてドル円相場に関してですが、金利の上昇を受けて、円安になったのは予定通りになりますが、通常の場合、ここから債券買いが入り、アメリカ金利上昇は中長期で円高要因になるのに、今回は引けにかけて円高にはそれほどなりませんでした。
おそらく、日本経済で自然災害が続いていますので、リスクプレミアムが乗っていることが原因かと思います。どちらにしても目線は円高方向にありますが、100円近辺までの円高などは想定しておらず、せいぜいあっても108円台後半があれば御の字であろうと思っています。
つまり円安に行くまでの調整プロセスの中にあるという相場観は変わりありません。ただし、アメリカがある日、突然にドル切り下げを行う可能性が高まっていますので、その注意だけは必要だと思います。
中国との関税戦争はいったいどこが着地点なのかわかりません。でも11月に米中会談が予定されており、そこが着地点とみるとこの秋は動く気配がすると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)