おはようございます。長年、私の文章を読んでいただいている方にはおわかりになると思いますが、私は日産、というか、カルロスゴーンが好きではない。なんらかの直接被害を受けたわけではないのですが、どうも、好きではない。
だから、どんなに日産にポジティブなニュースが流れても日産は今も、今後もたぶん、投資対象外であることは変わらないと思います。今回は、私がいままで説明したことを背景にドル円のお話しをしていきたいと思います。
正直、いえば、私がみなさんに今までお伝えしてきたことのほとんどが理解されていないだろうな、と思うからです。難しいといえば、難しいのですが、一度、理解してしまえば、こんなかんたんなことなぜ、理解できなかったのだろう、と思うとは思います。
自分は私ほど頭が悪くない、と思う方もいらっしゃると思いますが、要点をまとめていきます。
日本の事情
これは、日本のGDP年率成長になります。ご存知のように2018/7-9月期は、大きく、落ち込んでいます。この原因を私は8月中から言っていたのですが、北海道や関空での自然災害の影響です。
では、10月以降の日本経済はどうなのか、と言われれば。すでに10月以降に発表されている数字をみればいいだけです。
上記は日本の製造業PMIになります。7-9月まで低迷をしていましたが、10月からようやく回復をしてきています。
ほかにもいろいろ引用をしてみたいのですが、ほかに良いものも見当たらないのでご容赦ください。要するに7-9月はPMIもGDPも大きな減速をしていますが、10月以降は製造業PMIをみる限り、回復をしています。
本日のアメリカは、アップル株、急落によって安い入電ですが、ま、それほど、心配することもないでしょう、ということです。ですから、自然災害の影響で一時的に日本経済が落ち込んだだけの話であって、年末にむけて回復してくるでしょう、ということです。
ただし、中国やユーロ経済が落ち込んでいます。その影響で輸出が不振になり、では、今年の春や夏のように好調になるか、といえば、それ以上ではないよね、ということです。
アメリカの事情
下記は、アメリカのGDPの年率成長になります。日本と対照的に頑強な成長をしているといえると思います。
アメリカの製造業PMIになりますが、7-9月に日本と同様、日本ほどではないのですが、少し停滞をしています。
つまりアメリカの製造業は7-9月に、日本と同様ハリケーンの被害があったので、落ち込んでいます。そして10月以降は回復しています。
日本は製造業PMIが落ち込んでいるので、当然のようにGDPは落ち込んでいます。ところがアメリカはPMIが凹んでも、GDPは堅調のまま。この違いは何から発生するのかといえば、アメリカはこの春から夏にかけて、そして現在も平均の賃金が上昇をしているのです。
つまり製造業PMIはあくまでも製造業に限った話であって、消費者のマインドは含まれていないのです。一方でGDPは、全産業や消費者を含んでいるのですから、アメリカのGDPが落ち込まなかったのは消費者の消費意欲が旺盛であったから、とかんたんに説明がつきます。
日本の消費者は、メディアは景気が良いと言っていますが、実際に、みなさんが感じる通り、大してよくない、と思うのですから、景気が良いというのは、製造業が落ち込むとそのままGDPも一緒に下落するだけなのです。
では日米の比較対象というのはどういうことなのか?
たとえば、素人の専門家は、これを利用して言いたい放題な適当なことを言い続けます。自分が円安という相場観であれば、アメリカ経済は好調なんだから、ドル高でしょ、だからドル円は円安になるのです、と説明するのです。
では、円高を主張したい専門家と称するド素人は、日本経済はアメリカと比べると、弱いのだから、円高でしょ。これをみて、みなさんどう思いますか?
このメディアに出ている専門家と称するド素人たちは、この説明しかしていないのです。要するに、相場の状況をみて、解説をするのですが、円安と主張したいときにはアメリカにフォーカスし、円高と主張したいというときには日本にフォーカスしているだけなのです。
そう、つまり、猫の目のように主張なんかいくらでも変えられる連中のことをみなさんはプロと思って信用をしているのです。やっていること、めちゃくちゃでしょ。この予測をみなさん真剣に聞いているのってアホらしくなりませんか?
私はこれに対して、日本とアメリカを冷静に比較分析しなければいけないよ、と言っているのです。要するに、現在のアメリカの年率成長は3パーセントで、日本は0.3です。
ゆえにアメリカ>日本になり、ドル高、円安になります。でも、円安って、日本経済が好調なときになるものです。7-9月に日本は自然災害によって不調だったのだから、実際はドル高、円高になるのです。
日本が不調なときには、これも、以前にだいぶ、長い時間に亘って説明しましたが、基本的には円高になります。象徴的な間違いは、日本が借金まみれで倒産した場合、ハイパー円安になる、という解説です。間違いです。円高になるのです。
円安というのは数字が増価していくことです。つぶれる国の数字が増えていくわけがありません。しかし、自然災害があっても実際には、株価を中心に好調というセンチメントだったので、7-9月はドル高、円安になっていたのです。
でも、10月に入って、8.9月の数字が出てきて、不調だったということが判明をしたので円高になったのです。ところがPMIをみて、日本は不調から回復してくるのが確認できているので、若干、円安になったり、円高になったりしているのです。
要するに10月、1か月のPMIだけでは日本経済がこれから好調を維持するのか、それとも不調からの戻りなのかわからないから、今のマーケットは不安定なのです。一方でアメリカは、設備投資や住宅投資が極端に減っているのは各種統計から明らかなのです。
この盤石な数字をみていれば当然、ドル高なのですが、でも、経済学の常識として先行指数である設備投資や住宅投
資が減れば、数か月後に経済が減速するのは間違いないことです。
資が減れば、数か月後に経済が減速するのは間違いないことです。
ですから、現在、ドルが乱高下をしているのです。しかし、今週の週末の感謝祭から、アメリカではクリスマス商戦のスタートです。今年の労働者の賃金や雇用を考えた場合、間違いなく、史上最高の売り上げを更新するだろうと思います。
アメリカのGDPは全体の70パーセントを占めるのですから、10-12月の数字は7-9月より良くなるだろう、という想像はつくと思います。だから、まだ一方的にはドル安にはならない、ということになります。
クリスマス商戦が終わってから、ないしは、年明けには間違いなく私はドル安になるだろうと思います。日本の年末は、中国やユーロ、東南アジアが不調で景気が良い訳がありませんので、10月の好調は一時的だろうと思うのです。となるといずれは円高になるだろう、ということです。
でも、アメリカは年末商戦で好調なのだから、一方的にドル安になるようなことはない訳です。だから、現在、ドル高、円高なんてわけのわからないいびつな状況になります。
これがドル安円高になれば、現在のようなしょぼい動きではなく、大きく動くことが期待できるでしょう。こういったことを分析しているのが私の引け値予想になるのです。
つまり為替というのはどちらか一方の国にフォーカスを当てるなんてことは間違いの分析であって、こんなもので当たり続ければ、まぐれ、と私から言われるのです。
冷静に両者を比較分析をして、その結果をマーケットに当てはめれば大きくは外さないと思います。実際に大きな、流れでは私はここ最近、外していないと思います。
小さい流れでは間違いだらけですけど。もっと精進しますので、お許しください。少し、考えればおわかりになると思いますが、ユーロ円とユーロドルが同じようなものだと思っている人が多数だと思います。
この説明をみて、ユーロ円とユーロドルが似て非なるものだということが認識できれば、私の説明は成功したのですが、理解できなければ失敗なのです。ごめんなさい。
(この記事を書いた人:角野 實)