おはようございます。サイバーマンデーの売り上げは前年比17パーセント増で過去最高です。こんなものきちんと数字を追っていれば当然の結果であり、調べていない方にとっては何のこっちゃということになると思います。
誰でも過去最高の数字になるというのは考えなくてもわかることです。今回はそれを押さえて、そのヨコヨコの関係について考察をしていきたいと思います。
債券との関係
まず、私は11月末にむけて、債券価格が上昇するだろう、と予測をしてきました。これは11月末にアメリカ10年国債が納会を迎えるから、これがファンド売りの買い戻しによって上昇することの3か月ごとの定例行事になります。
実際に、きのうも株価が上昇すれば、通常、ファンドは株買い、債券売りになるのですから、債券は下がらなければいけないのが確りとした足となっています。
つまり、定例行事は、今回も健在だということです。しかし、考えてみてください。債券が上昇をするということは、金利が低下をするということです。感謝祭からサイバーマンデーまでは、1年間でもっとも商品が売れる時期です。
となると、商品の品薄が強まり、その結果、商品需給がタイトになり、物価の上昇が始まるというのが通常の考え方です。物価の上昇と金利は密接にリンクをしているのですから、債券は本来、下がらなくてはいけないのではないか? ということです。
これは、去年、見事にだまされていて、要するにこの年末商戦に向けて企業は10月くらいから商品の増産体制に入っているのです。その結果、毎年10-11月に工業生産や雇用のピークを迎えるのです。
で、この時期は、いつもPMIなど工業景況観指数は低下するのです。そして、毎年、失業保険申請者数も増えるのです。
こちらはきのう発表されてダラス連銀指数です。ものすごい落ち込みです。
シカゴ連銀は若干の上昇になります。
アメリカでは、日本の地域間格差を想像するよりも、その10倍の地域間格差があると思えばよいでしょう。ですから各連銀の数値は、地域によってバラバラになります。ただし、ニュースはきちんとみなければいけません。
たとえば、GMがリストラを発表しましたが、この6.8万人のリストラは雇用統計や失業保険申請者数にダイレクトに影響します。何が言いたいかといえば、来月の雇用統計が良いとか、言っているアホは、雇用統計なんか何もわかっていない、ということです。
どちらにしても、雇用も企業活動はすでにピークになっており、今は、遅行指数の消費者関連の数字が絶好調になっているだけです。
アメリカが良い、良いと騒いでいる人たちは、この景気循環がわかっておらず、これが本格的なリセッションになると思っていませんが、買っても、年内までに処分しなきゃいかんよ、と言っているだけです。たぶん、もっと安いところがあるから、と思うのです。
要は、債券価格が上昇するのは、予定通りだけど、金利が低下をするのはもうすでに、工業部門はピークに達しており、特段、整合性のないことではない、ということです。
そしてバフェットが銀行株を買い増ししていますが、これは、金利が低下しているのに銀行株が有望というのはおかしいのではないか、ということになります。
株を取引している人にとっては当然の判断になるのですが、そもそも、バッフェットはこれだけの金融緩和をしたら、どこかでものすごいインフレになる、という主義主張があるから安いところは買うのです。このロジックは当たり前のことで、私たちがみているよりもバッフェットは長い時間をみているだけの話です。
ドルのヨコヨコ関係
ドルの関係性にて、きのうの値動きからいえば、トルコが断トツで強い訳です。なぜ、トルコが強いかといえば、ドルは強いけど、それ以上にトルコが強いから、ドル安トルコ高が進行しただけの話です。
その上、円安だからトルコ円が強かっただけの話ですよね。なぜなら、トルコは異常な割安状態で、今後の経済見通しでも、サウジとアメリカをやっつけたのですから非常に強い訳です。
反対に南アは、割安は割安なんだけどトルコほどじゃない、その上、先の見通しも暗いからトルコに比べると大したことはないのです。で、弱いのは、欧州であって、ポンドもユーロもドルに対して軟弱で、きのうはイタリーに関してニュースが出ましたのでユーロのほうが弱かっただけの話です。
人間というのは目先の情報に左右されますので、目先に弱い材料が出たユーロがドルに対して一番売られただけの話でしょ。要するに、ドルの強弱や、ドルに対する各国の状況をきちんと押さえておけば、なんとなく、その今後の値動きは、わかるということです。
参考までに、ようやくイギリスの状況を解説できる専門家ぶったアホが、たくさん出てきて、見通しは暗いとかほざき始めるようになりました。でもイギリスのFTSEをみると買い場じゃねーの、とか思います。
まだ安値を試す可能性もあるけど、分割買いでOKなんじゃないか、とも思います。しかし、週足をみると12/10までに買いになるのは、難しいかなと思ったりとも思います。
私は、あれだけ弱い材料を書き連ねたけど、本当は楽観視をしており、要するにわかっている危機に対して人間は賢い対応をする、というのが当然のことであり、予想し得なかった危機がサプライズになり、結果的に2016年みたいにマーケットが崩壊するのです。
今回の場合は、議会を通るか、通らないかの問題が最大の危機であり、そんなもの調べりゃ、誰でもわかることなんです。バカは調べた結果に満足し、売り安心とか思うのでしょうが、自分が調べたことに満足せずに、一歩先を考えると、どう考えてもわかっている危機をなんとかしようという人間の先天的な知恵が勝るとは思います。
要するに少し、調べた人間は売りと主張し、マーケットを乱す可能性もあると思いますが、わかりきっている危機を回避するのが人間の本能だと私は思います。これが、私の本音です。
このイギリスに関して、もっと書かなければいけないことがありますが、また機会があれば、ということで、本日はお終いです。
(この記事を書いた人:角野 實)