おはようございます。今朝は那須の山奥も雪が降り積もりました。寒さのピークも過ぎたように思われます。軟調な世界経済と言われますが、アメリカだけは好調になるだろうね、と思っています。今回はその話をしていきたいと思います。
アメリカ卸売物価指数(PPI)
上が卸売物価指数、下がドルインデックスになります。
きのう発表されて卸売物価指数は、順調に物価が下がっていることが確認できます。下はドルインデックスになります。
今年の1月から強烈なドル安になっていますが、いつも言っているようにドル安の影響を受けて、卸売物価指数は3か月遅れで上昇しています。
そして4月にドル安が終了をしていますので、7-8月から卸売物価指数は下がってきています。参考までに半年遅れのものは、消費者物価指数(CPI)になります。
これを混同しないようにお願いします。そして、見ていただきたいのは賃金。
上記は雇用統計の時間給のグラフになります。物価が0.4下がったのに対して、時間給は0.1しか下がっていません。結果として、どうなるのか、非常にかんたんな問題です。物価が下がって、賃金がわずかにしか下がらなければ、家庭の可処分所得が上がるのですから、消費は活発になります。
アメリカのGDPの7割は個人消費なのですから、ほかの3割のGDPが下がったとしても、消費が好調であれば、結果として、全体的にアメリカは好調になります。それで、アメリカは景気後退とか、いい加減なことを言うのはよしてくれ、と思うのです。
ただ、テレビに出ている連中は、なんとなくみんなが悪いというから、悪い、悪いとバカの一つ覚えのようなことを言って、付和雷同している訳です。
ただ、来年になれば、今回のクリスマス商戦で需要の先取りを消費者がしてしまうので例年通り落ち込みますよ、と言っているのです。そして、ドル円を語るのであれば、日本の観察もしなきゃいけない。
上記は今朝発表の日本、機会受注になります。7-8月に自然災害によって、先月、相当落ち込みましたが、10月は回復している訳です。需要があるから機械受注が伸びる訳であって、日本は好調と、確認ができるのです。
一概には言えませんが、アメリカも好調だからドル高、そして日本も好調で円安です。ドル高円安なのに、円高とかほざく奴は、何もわかっていない、というほかないのです。
そしてドル高ならコンセンサス、最近の報道からいえば、ポンド安が加速をするのです。話題になっているのですからドル高ポンド安が進行する。クロス円では日本が好調で円安ポンド安になるのです。しかし、イギリス経済は好調なんです。
上記はきのうのイギリス賃金、ボーナスを除いたものになります。賃金が増えている訳でイギリス経済が沈むということはない訳です。
だから、イギリスはこの混乱が終わったら、買いになるよ、と言っているだけの話で、イギリス不安説を唱えるアホには辟易をするわけです。要するに、今のポンド安というのは、単なるマーケットの間違いであって、これでイギリスが弱いとか思うのは大きな間違いで、以前に言ったようにポンドは買い場を探すのが妥当な考え方になるのです。
日本が好調で、イギリスも好調、円安ポンド高だからポンド円はどうなるんだ、ということです。ポンドが安いとか騒いでいるアホ、きっとネットにたくさんいるのでしょうね。
逆にユーロ。 ドイツのZEWインデックス。きのう発表のものです。経済の景況感指数ですがマイナス。
ユーロのZEWインデックス。同じくきのう発表のものです。
これらをみるとユーロは日米欧の中で最弱通貨なのです。
ただし、近々にECBがあり、そこで量的緩和の縮小を発表する可能性が高く、量的緩和縮小が発表されると、ユーロ需給が締まるので、取り敢えず、目先のセンチメントが悪化しているイギリスを売っておこうと、なっているだけの話ですよね。
中長期的にみれば、ユーロが最弱通貨になるであろう、と思うのが必然なのに、バカの一つ覚えのように、ドルが買いならユーロも買い、なんてありえない、間違いだらけを言う人って本当にプロなんですか、と思う訳です。
きちんとファンダメンタルズを押さえておけば、目先、多少、曲がったとしても長期保有はできる訳ですよね。短期間トレードをしている人は、この見通しができないから、短期間での売買を繰り返すのであって、こんな効率の悪いトレードなどありません。
さすがにポンドは、売られ過ぎで私もぶん投げましたが、売り玉はホールドしたままで、それを担保に買い場を探しているだけです。きのう、ブログに書いたようにEU委員会、EU議会をメイ首相が説得できるわけがありません。どの口がそんなことを言えるんだ、という対応に終始するでしょう。
そうなると、議会も、見通しが立たない、EU委員会も見通しが立たない、じゃ、メイはどうするのか?
①解散総選挙
②政界引退 しか、ない訳でしょ。となるとこれを材料に売るね、としか思わない訳です。
メイさんはイギリスの国益を考えずにハードで突っ走る可能性もありますが、ま、今迄の行動、言動をみていてその可能性は少ない、と思います。
だから、議会も解散しないで、引退する可能性もあると思います。ほかにどのような選択肢があるのか、ということですが、頭の悪い私には思い浮かばない訳です。バカみたいな騒動、早く終わってください、ということです。本日の解説をみてみなさんどう思いますか?
たいていの人は自分がロジカルな人間だと思いがちですが、いかに適当に、感情だけで売買しているか、おわかりになるでしょ。だから為替の基本構造は株とは全く違うものだと普段から言っているのです。これみれば、今の日本株やアメリカ株が少なくてもインデックスは年末に向けてどうなるかおわかりになるでしょ。
イギリスは為替の動きや政治の動きをみないとわからないけど、なんとなくわかるよね。でも、爆発的な安値が出れば、絶好の買い場ですよね。
(この記事を書いた人:角野 實)