きのうはトランプさんが「金利を上げるな」とまた、騒いだことからマーケットは荒れ気味になりました。さまざまな事象をエビデンスを根拠に推測をしていきたいと思います。
週末の小売売上
週末の小売売上は、前年同月比4.2で予想以上に低い数字です。なぜなら、私は、過去最高の売り上げに年末商戦になるであろう、と言っていたので、11月の数字をみると、少ないね、とグラフでは思います。しかし、考えていけば、去年の11月(グラフの左から二番目)が突出していることがわかります。
これが相対値の欠陥であり、この2017/11の6.3程度の数字から4.3増えれば十分な数字なのです。しかし、きょうの入電は小売関連の売り上げが落ちたことをみて、小売を中心に売られました。
要するに、プロの連中でも数字を読み間違えているのです。前年比4.2という数字は確かに低いと感じます。でも、去年よりも、4.2パーセントも売り上げが増えたのですからやはり今年も十分な売り上げなのです。参考までに毎週、発表されるレッドブックもみておきましょう。
小売売上と同様、去年10月からのものになります。今年はやはり、サイバーマンデーでpeakをつけています。去年も同様でサイバーマンデー一旦のピークをつけ、売り上げは高麗していますが、クリスマスにまた急伸しています。
今年もそうなる可能性が高いので、決して消費が不調である、なんてことは言えないのに、不調だの、リセッションだの、弱気入り局面とかうるさい、としか思いません。なお小売売上とレッドブック指数が違うのは統計手法が違うだけの話です。
エンパイアステート指数
上記はエンパイアステート指数と、フィラデルフィア工業指数になります。
エンパイアステートは先月23.3だったものが、今月10.9(予測21.0)と急落。これが、株価急落の遠因でしょう。そしていつも言うようにエンパイアステート、フィラデルフィア、ISM指数は、近似値になりますので、本命のISM、新年2営業日目発表が相当低くなるから、株価が売られただけの話です。
この話もいつも言っていますが、アメリカの企業は不調だよ、このエンパイアステートは工業指数、そして景気先行指数です。企業が不調であると何度も、季節性からそうなるよ、と言っている話で、この数字は予想以上でしたが、当然だよね。
フィラデルフィアやISMは悪く出る可能性が高いですが、でも年末に小売が上昇したら、また株価は上昇すると思うよ、と言っているだけなのです。個人消費はアメリカGDPの7割ということを忘れないでください。
トランプさんはなぜ、騒ぐのか?
トランプさんが騒ぐのは、たいていアメリカの経済指標に悪いものが出たときです。今回の場合はエンパイアステートだと思いますが、きのう発表されたものに、国際金融収支フローがあります。
要するにアメリカに外国人がいくら投資をしたか、ということです。
これは全体のアメリカの投資額になりますが、10月は増えています。10月は、アメリカ株が急落したときであり、安くなったのだから、外国人は買うよね、当たり前の話です。
でも、これみれば10月に株価が急落した原因、わかりますよね。外国から投資が減ったから株価が急落したのです。で、きのうトランプさんが政策金利を上げるな、と文句を垂れています。
ではこの理由を考えるのが、ロジカルな思考になるのです。その事実というのは、誰でも文字が読めればわかるけどなんで、そんなことを騒ぐのか、ということです。私の推論は以下の通りです。
① メトロポリタンが異常に悪い数字
② 結果として株価が売られる
③ 外国人が買うだろうけど、今の株式市場よりは、リスクの低い債券に集中するだろう
④ 金利を高くすればますます債券投資に集中する
ということなのだろうな、と思います。
要は、FRBに文句を垂れているのは、たいがいの場合、株価がもっと落ちそうなときに騒ぐのが通例なんです。こういう構図なんだろうな、とは思います。
そのほか、金利が上昇すると、アメリカ政府の債務負担が増えるということになりますので嫌うのは当然ですし、金利上昇は物価上昇と同じことですので、支持率が下がるということです。
すべて推論になります。しかし、はっきり言わせていただければ。イギリスで労働党が政権を取ったらとか、また、知ったかぶり連中が騒いでいます。わかっていねーのならしゃべんじゃねーよ、といつも思います。
その理由
①メイ首相は辞めないと明言しています
②つまり議会の解散総選挙はない、現時点で言えるのです。
それで、労働党政権が樹立したらという話をするのは、取らぬ狸の皮算用です。アホじゃないか、ということです。
しかも労働党政権のコービンさんは悪評が満ちていますが①支持率は高い②ただその支持率の高さは、保守党が増税を示しているのに対して労働党は減税を打ち出しているからもともとコービンは不評の声が大きいのですが、今の議会運営には、かなりの国民支持を得ています。
でも、その前にメイさん、辞めるとも、解散するとも言ってないの。解散したにしても1時間で解散総選挙する訳じゃないでしょ。
少なくても2週間かかるんだから、そうなったら、そうなったときに考えればいい話であって、いま、議論すべきことじゃないのに、なんで今、議論するのか摩訶不思議としか言いようがないのです。
私には理解不能です。いま、考えるべきことは、ほかにあるはずであって、なぜ、きのうドルが突然安くなったのか、とかいろいろあるでしょ。そっちを考えたほうが自然だし、アメリカの金利が下がっても新興国通貨は本来、上がるはずなのに、下がっているわけでしょ。
私が今まで説明したことと逆に行っている訳です。スペースの関係で書けないけど、自分でかんがえなさいよ、と言いたいだけです。間抜けなメディアのお相手をしている場合じゃありません。
(この記事を書いた人:角野 實)