おはようございます。現在の株価の立ち上がりなどは中国経済の回復から、と一般的に言われています。現在、中国の研究をしていますが、調べれば、調べるほど理解不能な国になっていきます。
改めて、体制の違いというのを感じます。そして明日以降から統一地方選挙の公示日の集中日になります。選挙のときにここ数年、株価が下がったのはみたことがない、でも円高になるとは思っています。この部分だけは書いておきたかったので書いたのですが、今回は中国の話になります。
中国経済の現状
マーケット関連の現在の数字を並べていきます。
上記は人民元になります。昨年の貿易戦争問題が過熱したときから、もしくは中国経済の減速が明らかになったときから大幅な人民元安が加速しています。
しかし、10月にドル高からドル安に転換したときから、人民元安(人民元高)にトレンドが変わったように見て取れます。
中国10年債金利利回り
上海株
株価を底入れさせるために中国政府は金利を低め誘導しましたが、株価の下落は止まらず。資本主義国家では、金利を下げるということは、貸出金利の低下を意味し、借入が増えることによって景気回復が促進されるということになります。
しかし、中国ではその意味あいが全く違うことに今回、気づかされました。機会があればここでも話をさせていただきますが、中国において金利を下げるという意味は全く意味が違います。その金利が3.1パーセントを下回ったときに、株価がようやく底打ちをして急騰をしています。
この3.1の意味は物価になると思います。すなわちインフレ率をした廻った時点で、資本主義の世界では、借入額がアップすると考えますが、中国でもこう考えないと話が通りません。
すなわち、年間物価が、3.1パーセント上昇し、金利が3.1パーセントだったら、それ以下の金利になれば、この辺はなかなか理解しにくいと思いますが、実質、借金をした人は金額が目減りしますので借り入れが増えるのは当然のことです。だから、株価が急騰をした、ということができます。
では、この株価は現在、急騰の調整をしていますが、今後は金利がさらに停滞するか、ないしは3.1以下で安定的にしなければ、株価は続伸していかないのはおわかりになると思います。
そして人民元相場は株価に合わせて、年初から安くなるスピードが加速をしています。これは中国の外貨稼ぎのほとんどが、貿易になるのですが、この貿易のピークは2000年代前半から中頃に終了をしています。理由はさまざまありますが、2000年代後半には一斉に外資が中国から飛び出しています。
つまり、中国が世界の工場と言われている全盛期はすでに終了をしており、稼ぐ手段がなくなってきているということです。その次の稼ぐ手段は、株と不動産、鉱業とターゲットを絞っているのです。この辺の解説は、スペースがあるときにしていきます。問題は以下のニュースになります。
ムニューシン長官の中国との合意発言
ドル相場をみるときに、現在はトランプ大統領とムニューシン財務長官の発言をきちんとチェックしなければいけない、と去年も何度もいいましたし、トランプ政権が続く限り、この傾向は変わらないと思います。参考までにオバマ政権のときはイエレン議長でした。
さて、そのムニューシン長官
このニュースはあまり関係ないのですが、重要なのは人民元の安値誘導になります。この人民元安については、この中国の為替管理システムを研究すると決して、関税が問題で安値誘導をしていないことはわかります。この辺の詳細は、私も理解が進んでいませんし、また説明するのに10ページくらい要しますので、ここでは割愛します。
ともかく人民元安誘導をやめるということは、中国にとっては死活問題になることは間違いなく、この人民元安によって利益を得ていた共産党政府は今後、ほかの稼ぐ手段をどうやって確保をする問題になるのです。
この人民元安誘導によってドル高が実現したことは言うまでもないことになりますし、また人民元高に本当に変われば、ドル安になり、結果として円高になるということもみなさんはお分かりになると思います。そして、この人民元安誘導をやめるということは現在、今でも中国で活況な不動産、株式市場にも動揺が走ることになり、なかなか難しい問題なのです。
ゆえに、習主席の訪米が延期されるのは、納得ができます。ともかく、この人民元高というのは、かなり無理筋な話であり、これを実現させるためにはほかに稼ぐ手段を中国政府がみつけるか、アメリカ政府が提供をしなければいけない、ということなのです。
つまり日本では誰も注目をしませんが、この米中交渉というのはかなりセンシティブで、きわめて重要な問題になるということを認識してほしいと思います。
現状では、ムニューシン長官が人民元安誘導を止めるという合意ができるかもしれない、と発言していることから、その可能性は大きく、大きく金融市場の動向が変わるということをも意味しているのです。
何を言っているのかよくわからないでしょうが、言いたいことは今後の為替FXを含む、金融市場は中国ないしは、アメリカ次第の状況が色濃くなっているということです。
(この記事を書いた人:角野 實)