おはようございます。ほとんど大きな動きがない金融マーケットですが、だいたい私の予測通りに動いていることに満足をしています。この動きは、商品相場や債券相場を中心に予測を引いています。
本日の発表のおさらい
たとえば、きょうはヨーロッパのPMIも発表されます。今回の不景気の原因というのは、欧州のブレグジット問題と中国との摩擦問題に起因をしています。欧州はブレグジットと貿易問題とダブルパンチ状態で一番、景気が悪いということになります。
中国は不振の根源の国ですから、この景気調整局面においては震源の国と言ってもよいでしょうから当然悪い、ということになります。
この2つの事例を考えると景気が調整をした場面の原因はこの2つの国です。要するにこの2つの国の景気が持ち直さなければ、マーケットが流動化をするわけがないと考えればよい訳です。
中国のPMIは以前にご紹介をしましたように底値立ち上がりの足になっていますので回復をしてくるでしょう。問題として残っているのは欧州になる訳です。この数字如何によって楽観が戻ってくるか、否かにかかってくるわけです。
上記は欧州の製造業PMIになりますが、きれいなダウントレンドです。2月に50を割ったときに、この辺でそろそろ、と私も思ったわけですが、さにあらず、でさらに下がっている訳です。
欧州のそのほかの指標をみると、これが急速に回復する兆候はありませんが、きのう発表された、貿易収支では、少しはましになるかもしれない、という程度です。
貿易黒字は1月よりは相当ましな程度になっており、この数字は2月ですが、だいぶよくなったな、と思います。
10年単位で貿易収支をみると、ユーロ圏というのは、貿易によってその経済成長の拡大を招いたことがよくわかります。
ここ最近は貿易が停滞気味になるのですが、これはイギリスとの貿易が減ったことが第一の原因、そして次には中国ということになります。
その上にアメリカとの貿易摩擦によってノックダウン寸前までいこうとしていたのです。ブレグジットの国民投票が行われたのは2016/6月ですから、この辺をピークに下がっていっているというのはおわかりになると思います。
そのブレグジットを行って、離脱延期が決まったイギリスは、きのうの経済指標はどうだったのかといえば以下の通りです。
上記はイギリスの消費者物価指数になりますが、2016/6月のブレグジットの国民投票が否決になった理由は不景気だったからですね。
2015年にチャイナショックが起こり、その影響をモロに受けたわけです。以前にもお話しをしたと思いますが、イギリスはユーロに変わる市場を中国に求めたわけです。
最近まで混乱が続く理由ですが、中国はユーロに変わって有望な市場になるか、という問題です。中国の景況感に左右されて、国民生活が不安定になることをイギリス人は望まなかっただけの話です。
要するに、ユーロ市場を見捨て、そして中国経済に依存をしようとしたのですが中国ってそんなに信頼できる市場? ということだけの問題で混乱が続いているだけの話です。
そもそも、リーマンショック直後にアメリカなどに先んじて、金融緩和を行った国ですから、景気の回復が早い訳です。ヨーロッパは南欧債務危機もあって、金融緩和は相当に遅れたのです。
2014年に金融緩和を開始したのですから、遅すぎる訳です。結局、その流れの延長線上にイギリスがいるとすれば、ユーロに対してポンドは強い訳で、アメリカとの成長率の差においても本来なら同等か、それ以上にならないといけないのです。
おまけにアメリカはきまぐれでドルを安くするのであれば、ポンドは世界最強通貨になってもおかしくはないのに、世間やコンセンサスは、弱い弱いの大合唱の訳です。こういう流れをみていると頭がおかしいんじゃないか、と私は思う訳です。つまり、ポンドは完全に出遅れているということです。
もちろん、景気後退リスクはありますが、現時点でその萌芽はない、と思います。ともかく、債券相場や商品相場をみていると、おそらく、そろそろ転換の時期を示唆をしています。
債券はここ最近、金利が上昇をしていましたが、そろそろまた低下になってくるのではないかと思います。根拠は12月にドル安に転換している訳ですから、6月までは為替の影響を受けて、物価安になるのですから本来、金利は下がるはずです。
いままで急激に金利が下がったから、調整を行っているだけです。原油はリビアの内戦危機によって上昇をしましたが、その材料がひと段落をし、本来であれば下がるべきところを戻り天井をとってしまっただけの話です。
原油が反転すれば金が上昇する、その証拠に、今朝は白金やパラジウムが高騰の入電です。ユーロドルは1.31-3が今月の目途といったところでピタリと止まります。
結果として、ドルの相対的な強さの戻りが解消をしたことになります。こうやって考えると、本日発表のPMIの方向性がマーケットやコンセンサスの方向と逆の結果が出れば大きく動きだすと思います。
たとえば、日本のPMIが上昇すれば、円安なんて思っている人が多いですが、再三、解説をしているように、日本の絶対値が伸びれば、円高です(笑)。
この記事を書いた人:角野 實)