おはようございます。ロシアンゲート事件に関してはモラー検察官による捜査は無罪、しかし、捜査妨害に関しては微妙、という結果がでました。
当時、FBI長官のコミー長官が捜査を忌避し、その後任の面接にきたのがモラー氏。モラーは特別検査官の受任をしていたとめに長官の調査を拒否していました。
当時から捜査妨害が立件される可能性を指摘されていましたが、結果はグレー。疑わしきは罰せずの司法の論理通りの帰結です。この辺も全部解説をしたいのですが、マーケットとは関係ありませんので割愛します。本日は、PMIの結果から予測されることを解説します。
日米欧PMI
■日本製造業PMI
■ユーロ製造業PMI
■アメリカ・フィラデルフィア連銀製造業指数
上記のグラフをみていると、世界景気が去年から後退しているのはみて取れます。
日本の羽生田副長官が消費税増税の延期の可能性について発言をしましたが、単なる観測気球であり、ガス抜きでしょう。もしかしたら統一地方選挙の結果があまりよろしくない予測になっているから人気の高い政策を言っただけの話かもしれません。それでは分析をしていきましょう。
これをみても圧倒的にドル安ということがおわかりになると思います。
解説すると
ここまでの数字を出しておけば、現在や今月の引け値に関しては、みなさんは最初は時間がかかるかもしれませんが、計算できると思います。大事なことはこの製造業(鉱工業)PMIは先行指数であり、本来は株価と関係があるものになります。
為替の場合は経済指標の一致指数にあたりますので、本来はマークイット社の総合指数で分析するべきなのですが、月に一回しか発表をされませんので、この数字で調整をして、理論値を推計する、ということが大事なことです。
しかし、きのうはアメリカの小売売上も発表されているということがミソになります。
この数字をみて、最近はようやく小売売上も回復しているではないか、と思ってはいけません。この数字をみるとアメリカGDPの7割を占める個人消費が回復しているのだから、現在、予測されている、0.8~1.9の1-3月期のGDPの0コンマ台の予測数字はあり得ないな、とは感じます。
しかし、最大の注目は去年の1-3月期とくらべて何れの数字も、悪いということです。つまり小売売上高は前月比よりはよくなっていますが、前年比で比べると圧倒的に悪いということを認識しなければいけない、ということです。
きのうは、フィラデルフィアは予測通り悪く、この結果だとドルは売られ、株は売られることになりますが、小売売上が前月ベースで良かったので株もドルも本来ならうらなければいけないところを多くの市場参加者は買った、ということに気づければ、よいだけの話です。
さらに今後の展開も変わってくるということです。まず、小売売上が予想よりもよかったことから、月末のアメリカGDP速報値は良くなると思います。一方でフィラデルフィア連銀指数はコンセンサスよりも悪かったということは5月の第二営業日に発表されるISM製造業指数は悪くなったと言えると思います。
GDPに関してはアトランタNOWなどの各地域の連銀予測は上振れをしますので、GDPの予測値は上昇をするでしょうが、ISMが悪くなることによって、相殺されるということです。
つまりドル円は、月末に円高のピークかなと思っていたのですが、今後は、ISMの非製造業まで悪いかもしれないと考えています。そのころにはマークイットの総合PMIも発表されていることでしょう。
こういう予測に変化をしています。また、ユーロドルに関してもドルが強くなっていますが、これも、予想以上にユーロの回復が進まないことを嫌気されて売られたのですが、きのうのPMIは先行指数の訳で、小売は3月の数字であることを考えるとユーロが売られることはおかしい訳です。
つまりこれも間違いです。証拠に、商品相場はドル安を受けて上昇をしています。これだけ鮮明なドル安の状態が後にわかってくることでしょう。
きのうから動くとは思っていましたが、小売売上が邪魔をしたと言ってよいでしょう。日経やアメリカの株価も先行指数が下がっているので、いったん良いところでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)