おはようございます。アメリカは去年よりも悪いのは事実になりますが、悪いなりにだんだんと良くなってきているというのが実態です。きのうはいくつかの指標が発表をされましたのでその検証をしていきましょう。
新築住宅販売
Econodayより
上記はアメリカの新築住宅販売になります。モゲージレートは住宅金利になります。去年1年間は、新築住宅は、17年と比較すれば新築住宅販売は伸びていません。
これは、トランプ減税によって金利が急騰をしたことが挙げられます。トランプ減税はご存知のように17/12月に成立をして18/1月施行になります。その間のピンクの線をみれば明らかに金利が上昇をしています。
そして、金利がさらに急騰をした18/9-10月に新築住宅販売は急激に低下をしています。この間に株式市場や為替市場で何が起こったのかは言うまではないことです。急落をしているのです。
これで住宅指標というのはこの売れ行きによって景気を左右するということがよくお分かりになると思います。
よく、検証すると経済指標の一致指数という感じもしますが、コンセンサスは景気の先行指標です。先行指標で重要なものは、PMIやISMなどの景況感指数になりますが、その補助として住宅指標もみておけばよい、というになります。
さて、今回の発表になりますが、明らかに大きな上昇をしています。もちろん、アメリカ経済は南北に長く、北部は積雪によって住宅建設が冬の間できないのは周知の事実になります。
しかし、主に、アメリカで住宅が売れるのは南部になります。結果として、春から夏にむけて住宅販売は好調になるのは当然になりますが、この数字をみれば一目瞭然ですが、2019年の新築住宅販売は好調になるということです。
よく覚えていませんが、過去最高はリーマンショック前だったと思います。一方で価格はすでに過去最高のリーマン前を越えています。
住宅指標が重要な理由は、以前にも説明をしましたが、だれでも新築の家を購入すればその消費はそれだけでは済まないということです。家具などさまざまな消費を喚起することになります。ですから住宅販売が好調であれば、自動的に消費も堅調になるということです。
つまりナスダックなどが史上最高値を更新したと騒いでいましたが、それは上記の指標の帰結でありある意味当然なのです。ただし、ニューヨークダウは工業株30銘柄の単純平均になりますので、ISMやマークイットの製造業PMIに左右をされることになります。
その各種景況感指数は、いまだに去年より悪い状態ですので、なかなか新値を越えないということになります。ナスダックなどは工業株もありますが、新興市場になりますので、サービス業の構成のほうが多いので当然のことになります。
その景況感指数
上記はリッチモンド連銀指数になります。ほかのフィラデルフィアやメトロポリタン指数と同様に、去年に一度、安値をとってからもう一度二番底をつけにくる動きです。
お恥ずかしい話、リッチモンドといって、代表的な企業が全く思い浮かびません。この数字が妥当なのかどうかはわからない、ということです。申し訳ないです。しかし、ここから二番底を確認しにいくことを確認できると思います。
レッドブック
ご存知のように全米小売売上指数のレッドブックになります。最近の数字は、過去のリーマンショック以来、最高の数字を売り上げており、結果として、上記の新築住宅販売とともに、金利安であれば消費者は好調な数字しか出てこないことは明らかなことです。
アメリカ経済の概要を申し上げるとアメリカ経済は
①企業は回復期
②消費者は好調
ということになります。通常は企業が回復期に入ると、消費者は沈むものですが、思ったように企業の回復が進まないことが消費者の好調になっているのだと思います。
これが企業の回復が好調になると、こんどは、消費者が沈むということを覚えておくとよいでしょう。
ドル円について
きのうは、やはり意味不明の円安にもなったけど、逆に円高にもなったという場面もありました。ただ、結論として言えるのは去年のこの同じ時期に大幅な円安が進行をしているのに、ほとんど変わらず引けたということは、やはり基調は円高なのであろうと思います。
去年のきょうの日はさらに円安が進行をしていますので、やはり意味不明な円安に注意が必要になると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)