おはようございます。ようやく連休も終了することになりますが、ま、意味のない10連休だったと個人的には感じます。だいたい、本気で仕事をしている人にとっては10連休などなんの意味をもなさないものだとは思います。
要するに今の政権は既得権者には優しい(サラリーマンや金融、医療、自動車の権利意識には敏感)のですが、非正規雇用や自営などには一切、目を向けていないと思います。
政治意識の高い、大企業などの既得権者がマジョリティーを占めていると思い込んでいるだけの話ですけどね。非正規雇用の人が政治のことを本気で考えているのか、といえば申し訳ないですが、その意識は薄く(なぜなら自分たちに利益を一切もたらさないから)、サラリーマンの意向に沿うかたちで投票行動を行うからだと思います。
これが、トランプ大統領誕生の背景ですので、アメリカを対岸の火事と思っていてはいけないと思います。何れ、全世界に波及することでしょう。ブレグジットも同じ構図です。さて、本日は米中交渉について考えていきたいと思います。
米中交渉の重要な点
連休中に中国の貿易収支を観察しましたが、この中国の貿易収支を境にドル為替実効レートが大きく上昇をしています。つまり、わたしがマーケットを判断するのに重要視をしている実行為替レートは、本来、貿易の指数ですので、貿易が活発になればそれは上昇をするものだ、ということがわかりました。
以前に、貿易は日本、アメリカにとってGDPの10-15パーセントしかないので影響は軽微だ、と記したことがありましたが、それは間違いでした。過去にもこうやって明記をしないで考え方を訂正していることは多々ありますのでご注意ください。
ともかくトランプさんがツイッターできのう、中国に対しての関税を25パーセントに引き上げると言明をしていることから、このドルの実効為替レートが低下したことが今朝の円高の要因だと思います。
まだ、断定をするのには、材料不足ですのであくまでも推測になります。日本の実行為替レートも中国の対米輸出が低下する可能性がありますので貿易が不振となり、結果として日本円の実効為替レートも下がる可能性があるということです。
そして結果的に中国も実行為替レートが下がりますので、人民元が安くなるということですが、こちらはアメリカと意図的に人民元レートを操作しないことでほぼ合意をしていますので、大きな上下動はない、と思われます。つまり、ドル安、円高の方向性ははっきりしている訳です。
これが訂正される、ないしは修正されるのには5/10にトランプが本当に大統領令で関税の引き上げを目指すのか、ということだけです。
今までのトランプの行動経緯であれば、これは相手にアメリカの条件を飲ませるブラフであると推測もできますが、今回は、この交渉が3/1期限のものをアメリカが60日延期、中国が90日延期でもめているという背景もあり、予断を許さないと思います
。つまり5月に入って、トランプがギャーギャー騒ぎだしているのは、5/1の交渉期限を意識してのものです。イラン制裁にしても何日間か毎に更新をするのですが、これは全くメディアが報じません。
大統領令というのは○日間ごとに更新が基本路線であり、これを永続的にするのには、更新期限がくるたびに大統領は署名をしなければいけないということになります。
つまり、今回、5/10にトランプが中国に関税の割り増しを行った場合、その更新が何日行更新なのかをきちんと見ておくべきです。
トランプの行動は予期不能などとほざいている方は非常に多いのですが、だいたい、この更新の時期になるとトランプはそのことに関するツイッター投稿が増えるだけの話で。ツイッターと更新時期を見ておけば、彼が何を言い出すかは予測できます。
相場への影響
要するに、ドルの実効為替レートは急落しているはずだから、ドル安が確定をしたということです。
これが排除されるためには、トランプが制裁を実際に行うか、どうかの問題であり、その本質をきちんとわかっている方には、このドル円を月曜日寄りの窓は埋めるなどという不毛な考え方は無意味、ということがおわかりになると思います。
日本のFX会社の寄りを見ていましたが、ティック(出来高)をみると日本人一斉に買ったような感じです。こういう大衆が買うときには、ま、私は適当に逆張りに徹するのですが、状況を見ながら、考えます。あれだけの量を買って、戻らないことをみても、ま、たぶん、こいつらを振るい落としてから戻るのだろうと想像はできます。
この内容は内部要因を知っている方には楽勝でわかると思いますが、内部要因がわかっていない人は、きちんとこのトランプのツイッターの内容を理解するほかがないのです。
トランプは10日、例によって週末まで期限を延長するという、いつも通りの行動で、5/1の期限を意識しているのか、怒り狂っているのかよくわかりませんが、この辺まで決着はつかないということです。
この発想が当たるか外れるかは、わかりませんが、週明けの窓開けは90パーセント以上埋める、という例外パターンにもなると思いますので気をつけたほうがいいと思います。そもそも、112円台で私は売っていますのでどうでもいい、というのが素直な感想です。
(この記事を書いた人:角野 實)