おはようございます。きょうの8:50に日本の19/1-3月期のGDPが発表されます。
この原稿を書いているのが8時過ぎなのでアップされるころには、すでに発表されていると思いますが、対応の参考にしてみてください。
日本19/1-3月期GDP
このコンセンサスは前期比でマイナス0.1パーセントになります。 まず、何度も言わなくてはいけないのは、おそらくこの数字は前期比の話になります。
これは18/10-12月期に比べてマイナス0.1がコンセンサスということです。では18/10-12月期に何があったのかを考えてみましょう。まず、7-9月期にあったことに数多くの自然災害です。
関西空港の橋脚が流され、北海道で大きな地震があったことにより、上記のグラフによって18/7-9月期はマイナス0.6になったのです。
前期、つまり18/10-12月期はその反動でプラスになったのです。このことを踏まえると、18/10-12月期は自然災害で失ったGDPを取り返し、今期(19/1-3月期)は通常モードになることになります。
しかし、18/10-12月期から中国経済の減速が鮮明になり、その中国経済の不振はだいたい19/2月まで続いていたことを考えると19/1-3月期の成長は極めて弱いことになります。
そのほかの経済指標をみていると、どうも、マイナス0.1で済むのか、という話が議論の中心になります。要するに、このコンセンサスは高すぎる、というのが個人的な推論になります。
年率の場合
上記の説明は前期比と比べた場合の、予測になります。ご存知のように経済指標というのは、前期からと前年比からの2つの方向で分析されるのが当たり前の話であり、前期がマイナス0.1だった場合、予測通りだったなどと言ってはいけないのです。
そこには必ず付随して、前年比の数字も発表されるのですから、その数字をみた総合的な判断になるのです。
上記は日本のGDP前年比になります。コンセンサスは出ておらず、市場の注目は前期比に注がれていることがわかります。では、分析に入っていきましょう。
まず、前年比ですから18/1-3月期の成長をみます。18/1-3月期の成長は2.4になります。この2.4という数字は何から発生をしたかといえば、アメリカ経済の好景気になります。
みなさんご存知のように、アメリカは18/1月から法人税減税を実施しており、その結果、アメリカ経済が急速に拡大をした煽りをうけて日本経済も急拡大をしたのです。
去年の同時期に2.4など、急拡大をしたのですから、その2.4というGDP総額がスタート台になるのですから、非常にプラス成長であればハードルが高いと私は感じます。結論を申し上げると、下手したら、年率換算はマイナスもあり得ると思います。
こちらは、10年間の日本の年率GDPの推移になります。2015年のチャイナショック、東日本震災、リーマンショック以来のマイナスになる可能性があるのです。
リーマン、震災、チャイナショックは大暴落を伴い、GDPが下落をしましたが、今回の場合は、さまざまな条件が積み重なりながらの下落になりそうです。
これを受けてのドル円
ドル円の計算式は何度も言っていますが、ドル÷円です。この円という分母は間違いなく縮小をする、ということです。そのパーセンテージは、コンセンサスのマイナス0.1通りの数字であれば、0.1でしょう。
この場合は、分子のアメリカ経済は週末のミシガンサーベイなどがかなり良い数字でしたので、かなりドルの分子はよくなっているということです。結果として、どうなるかといえば、簡単におわかりになると思います。分母が縮小して、分子が拡大したらその解は大きくなりますよね。
その解が大きくなるということは「円安」でしょう。おそらく日本のGDPが悪いということで発表直後は売られるでしょうが、その後、急速に円安に戻すというパターンですよね。
当たるかどうかはよくわかりませんが、ロジカルに考えれば、最終的には円安になるという予測を出しておきます。
(この記事を書いた人:角野 實)