FXコラム

債券のバブル崩壊はいつやって来るのか?

2017.08.11 | 
債券の...
金融市場では要人が「債券バブルの崩壊」について語り始めており、かなり現実味を帯びてきていることから注目が集まりつつあります。
当然のことながら債券市場の暴落による金利の上昇はダイレクトにFX市場にも影響を及ぼすことになりますから、見逃すことのできないものとなります。

バブルの生みの親グリーンスパンの警告

Photo Reuters.
グリーンスパンといえば、「米国FRB」の議長を87年から2006年まで実に長期に渡り勤めたきわめて異例な存在であり、良くも悪くもバブル崩壊を”ほかのバブルを作って救済する”という独特の手法を続けてきた米国の金融政策市場では実に独特の存在として知られている人物です。
FRB」議長在任期間中における同氏の発言は実に難解で、何を言っているのかさっぱり判らず、専門のFedウォッチャーが解説をしてはじめてその一端が理解されるといった特異なキャラクターとしてもよく知られています。
FRB」議長退任後は金融バブルを図らずも構築してしまった”A級戦犯”としての評価を受けることになってしまったグリーンスパンですが、その彼が自ら債券市場のバブル崩壊に言及したことが市場では大きな話題になりつつあります。
彼の警告はきわめてストレートであり、足元での株価の行き過ぎとも思える上昇を心配するよりも債券市場のバブルを心配したほうがいいというのがその中身になっているのです。
米系メディアのインタビューに答えたグリーンスパンはどのような基準から見ても、実質長期金利はあまりにも低過ぎるため持続不可能であると予測しており、金利が上昇する場合、かなり急速に上昇する公算が大きく、市場はそれをまったく織り込んでいないというのが彼の見方になっています。
とにかく米国の金融市場を長期に渡ってコントロールしてきたバブル経済生成の張本人が債券市場について警告を発し始めているわけですから、注目を集めないはずはない状況です。

JPモルガンダイモンCEOも同種の発言

Photo;WSJ
FRB」の「金融政策」の巻き戻しで市場がどうなるかわからないと警告を発してきたJPモルガンのダイモンCEOもCNBCとのインタビューで、「債券価格は高いと考えている」と述べ、「バブルと呼ぶつもりはないが、世界のどこの10年物ソブリン債であれ個人的には買うことはないだろう」と債券市場に対して弱気な発言を行なっています。
さすがに米系の大銀行の会長兼CEOですから、今の債券相場がバブルであるとダイレクトな発言はしていませんが、グリーンンスパンの発言に呼応するように債券市場への弱気発言が飛び出しているのは見逃すことのできないものとなっています。

ガンドラックははるか前から米債の金利上昇を指摘

新債券の帝王の異名をもつダブルラインキャピタルの「ジェフリー・ガンドラック」はこうした要人の債券市場弱気発言が飛び出すはるか前から、米国の債券市場は年末に向けて長期金利が3%を超えると予測しており、株は早いところ売り払うことを推奨してきています。
足もとの債券市場は北朝鮮からのICBMの話などを受けてさらに金利が下がってきており、こうした警告との整合性はまったくとれていないように見えますが、秋口に大きく流れが変わる可能性は 確かに捨てきれない状況です。

一体何がきっかけで債券は崩れだすのか?

債券金利の上昇がはじまるきっかけといえばなんといっても「インフレ」の始まりですが、今のところ急に「インフレ」が始まりそうな気配は見られません。もちろん「スタグフレーション」という厳しい状況が示現しないとは限りませんが、この秋にすぐそうなるとはなかなか思えない状況です。
となるとこの秋債券の流れを変える大きな事象があるとすればやはり「FRB」をはじめとする主要「中央銀行」の金融引締めへのシフトがもっとも危ういファクターになりそうです。
現状では債券市場は「FRB」の利上げも資産売却も市場の状況を判断しながら、ゆっくりと行なうことになると見ていることから非常に楽観的な動きになっていますが、米国の10年債金利が3%に近づき、そして超えるようなことになれば、まず投機筋が抱え込みすぎている債券の投げが始まることは間違いありません。
そうなると、債券価格は大幅に下落し、金利の上昇で株式市場がそれを嫌気して相場が大幅に売られることになるネガティブなスパイラル現象が出る可能性はかなり高くなりそうです。
現状では8月の「アノマリー」なのか、FX市場ではドル円の円高が進行していますが、一定の下落をみたところではこの債券市場に関する動きを想定して買いで臨むことも必要になりそうな状況といえます。
(この記事を書いた人:今市太郎

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